燕三条に救われた負のスパイラル

「背脂煮干」で人気の「丸め」の店主・丸目精一氏が、新たなラーメン作りに挑んでいる。ほれ込んだ背脂煮干でオリジナリティーを確立した丸目氏だが、煮干への研さんをさらに積み、このほど完成させたのが「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」だ。既存の「丸め・武蔵小金井店」を「丸め〜中華そば〜」にリニューアルして10月22日、新ブランドの2品、「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」をデビューさせた。丸目氏の飽くなき探究心を取材した。

丸め~中華そば~
所在地=東京都小金井市本町2-20-4
営業時間=午前11 時半~午後3時、6時~10時、不定休


「背脂煮干」が「豚骨煮干」「鴨煮干」に 進化

豚骨煮干そば(750円)

豚骨煮干そば(750円)
※写真は「特製豚骨煮干そば」(950円)
濃厚な豚骨スープと煮干が絶妙にマッチした新感覚の味を表現
 「実直」と「不屈」。丸目氏のラーメン人生は、この二つの言葉で形容されると言っていいだろう。
大手総合電機メーカーを退職後、ラーメン店に就職した丸目氏はラーメンをさらに極めるために修業に出る。丸目氏が門をたたいたのは、煮干と動物系のWスープが評判を呼び、第一次ラーメンブームの先駆的存在となった「たけちゃんにぼしらーめん」
「味覚や嗅覚だけではなく〝聴覚〞を使えと教えられました。煮干を手に取ったときの〝カサッ〞という音から煮干の状態をつかめということです。材料もとことん厳選し、煮干や豚骨の量は、以前勤めていた店の3倍は使っていたと思いますね」
約2年間の修業後、2006年12月、開業資金450万円、運転資金100万円を元手に独立。14席をひとりで切り回し、月商250万円を得る。しかし、順調な滑り出しは3ヵ月を経過したころから陰りを見せ始める。1日100杯売っていたのが80杯になり、半年後には40杯に減っていた。


元ラガーマン・186㎝の巨漢が繊細な味作りに打ち込む

元ラガーマン・186㎝の巨漢が繊細な味作りに打ち込む

 「実は売上げが落ち始めたころから、少しずつ材料費をケチッていたんです。すると味が少しずつ落ちる。自分は毎日味をみているから気づかないけど、お客さんにはわかるんですね」と振り返る。
「売れない↓材料費を削る↓味が落ちる↓客数がさらに減る」という〝負のスパイラル〞に陥り、丸目氏はひとりもがき苦しんだ。「あのころはすべてのバランスが悪かった。味のバランスも悪ければ、お客さんとのバランスも悪い。なにより自分自身のバランスが崩れていました」と当時を分析する。
万策尽きたと思われた状態に一筋の光明となったのが、知人のラーメン店主が教えてくれた〝燕三条系ラーメン〞。さっそく新潟県に向かった丸目氏は豚骨と煮干のWスープ、醤油だれ、仕上げに背脂をチャッチャとする燕三条系ラーメンにほれ込んだ。これをベースにオリジナリティーを加えて完成したのが「特濃背脂煮干 燕三条系ラーメン」、現在の「背脂煮干ラーメン」だ。平日で1日150杯、土・日で220杯を売る人気を獲得し、見事に復活した。
しかし、丸目氏のラーメンに賭ける思いは、ここに留まらなかった。さらに煮干を極めたいと挑んで完成させたのが、今回の2種類のラーメン。
「よくラーメンは〝自分の表現〞だって言いますよね。でもラーメンだけでは表現は完成しない。ラーメンを食べたときの〝お客さんの笑顔〞があってこそ、ラーメンという作品の表現は完成するんです」。その笑顔と出会うために、丸目氏は今日もひたすらラーメンに向き合う。


まず、地元での評判を得る 8席で納得した一杯を提供

鴨煮干そば(750円)

鴨煮干そば(750円)
※写真は「特製鴨煮干そば」(950円)
鴨脂の香りが際立つ洗練された一杯
 丸目氏の渾身の新ブランドである「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」を売り出すのは、武蔵小金井店をリニューアルオープンさせた「丸め〜中華そば〜」。開業は2010年12月1日。立地はJR中央線・武蔵小金井駅北口から小金井街道沿いを歩いて3分。まずまずの立地で、「背脂煮干ラーメン」時代の武蔵小金井店の来客数は平日120人、土・日180人と繁盛店を誇っていた。新ブランドは、スタート当初は1日120杯を狙い、ゆくゆくは200杯が目標だ。

丸目店主が「個人店の理想」と言い切る、隅々まで見渡せる8席の店内

丸目店主が「個人店の理想」と言い切る、隅々まで見渡せる8席の店内
 坪数7・8坪、席数はカウンターのみ8席。経営する3店舗の中で一番小規模な店を選んだ理由について、「新たなチャレンジは、まず自分の目と手が行き届く8席の店が理想。自分が納得した一杯をしっかりと伝えたいと思います」(丸目氏)と言う。

JR武蔵小金井駅から徒歩3分の小規模店

JR武蔵小金井駅から徒歩3分の小規模店
 リニューアルオープンに伴い外観と店内を改装し、店名にあえて「中華そば」を付けた。「背脂煮干ラーメンで一つの形(ブランド)が完成したと思っています。新たな思いで新ブランドに挑みながらも原点回帰の意味も込め、『中華そば』としました」と言う。
東久留米店と田無店では従来通り「背脂煮干ラーメン」を提供している。


煮干の表現を極める 原価率より自分の味を優先

煮干の表現を極める 原価率より自分の味を優先

3種類(大羽、中羽、小羽)のサイズの煮干を使用。「小さい物はダシがすぐに出て、大きいものはゆっくり出ます。この時間差でうま味に深みが増します」(丸目氏)。産地は千葉、長崎、広島など
 「豚骨煮干そば」のコンセプトは煮干と濃厚豚骨スープとの究極の融合。1番スープは直径60㎝の寸胴でゲンコツ30㎏、豚頭10個、鶏がら10㎏、豚足、モミジ、背脂各5㎏を炊き、そこに大量の煮干を加える。
煮干は真イワシ5㎏、追い煮干3㎏の合計8㎏。煮干は、本来ならいったん水から煮出して煮干スープにした方が味が出るが、水の量が増えると豚骨スープの濃度が落ちるので、あえて豚骨スープに直接、煮干をかませる手法をとった。そこに宗田節と鯖節を加える。
2番スープは1 番スープを取った残ガラに、モミジ10㎏を加えて炊く。「1番スープだけでは味がブレやすいので、2番スープを合わせて安定させます」と微妙なスープの加減にも気を抜かない。トータルで15時間炊き、1晩寝かせて2日がかりで仕上げる。背脂煮干ラーメンのように仕上げに背脂をチャッチャとして濃厚さを出すのではなく、豚骨スープ自体を〝ねっとり感〞のある濃厚なスープに仕上げることが決め手だ。
これだけの材料を使って150杯を作る予定。「原価率を考えると厳しいものがありますが、理想の味を追求するためには材料はケチりたくないんです」とラーメン職人の心意気を貫く。

穀物酢に煮干を漬け込んだ「にぼ酢」。煮干のだしが出た酢を少量垂らすとスープがまろやかになる

穀物酢に煮干を漬け込んだ「にぼ酢」。煮干のだしが出た酢を少量垂らすとスープがまろやかになる
 麺は強力粉を軸に加水率を下げた自家製麺。「動物性のスープにはパキッとした噛み応えのある低加水麺が合います」と計算されている。
「鴨煮干そば」のコンセプトは鴨の香りと煮干の調和。鴨脂と鴨がらでビターな香りを表現し、そこに煮干を合わせる。「鴨の香りはクリアで味はビター。食べたときに、なんとも言えない鴨の甘い香りが鼻から抜けます。それが煮干と絶妙に合うんです」と解説する。
スープは鴨がら、豚骨、鶏がら、香味野菜を炊いたスープと、煮干、宗田節、鯖節、昆布を合わせたWスープ。鴨がらを炊いてスープをこしてとった油と鴨脂を合わせて、鴨の香味油を作り、Wスープ、醤油だれ、鴨油が丼の中で調和する。
麺は中力粉と国産小麦を合わせた自家製麺。「豚骨煮干そば」の麺とは異なりしっとりした食感だ。


「丸め 中華そば」の愛用食材

キッコーゴ丸大豆醤油(天然醸造)

キッコーゴ丸大豆醤油(天然醸造)
販売元=近藤醸造(東京都あきる野市)
 大豆、小麦を麹として自然塩水の中に仕込んだ醤油。1世紀近くにわたって代々伝わる醤油造りの技と手造りの良さを生かし、伝統に培われた素朴な風味を持つ。保存料、着色料無添加。「火を入れても醤油の香りが飛ばない点が気に入っています。いろいろ試してみましたが、この醤油が一番。うちの醤油だれの決め手です」(丸目氏)


亡き恩師から一杯に賭ける一徹さ学ぶ

丸目 精一(まるめ・せいいち)

丸目 精一(まるめ・せいいち)
 1976 年10月宮崎県都城市生まれ。「子どものころから冷蔵庫の残り物を工夫して、何か作るのが好きでした」と言う。高校時代はラグビー部に所属。高校生ですでに186㎝、100㎏という恵まれた体格を持ち、FWの花形ポジションである「NO.8」として活躍する。
卒業後、大手総合電機メーカーに就職。しかし、持ち前の独立心旺盛な性格が企業組織という枠組みには収まりきらず、安定収入を保証されたサラリーマン人生と決別して、4年後に退職。23歳のときに飲食店を経営する知人に声をかけられ、船橋駅近くのラーメン店の店長を務める。
その後、さらなるラーメン修業を積むために「たけちゃんにぼしらーめん」の門をたたく。ラーメン業界で名を知られたラーメン職人の厳しい指導のもと、ラーメンの真髄を学んでいく。
「店主はとにかく我が強くて、ぶつかることもありましたが、おいしいラーメンを作るための一徹さを学んだと思います。僕のラーメン人生の原点はこの修業時代にあります」と語る。
約2年間の修業を経て退職後、魚介を勉強するため和食店に勤務。2006年、30歳で独立し東京都東久留米市に「丸め」を開業。10年に武蔵小金井店、12年に田無ファミリーランド店をオープン。14年10月、武蔵小金井店をリニューアルし、新ブランドの「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」を打ち出す。

adminラーメントレンド燕三条に救われた負のスパイラル 「背脂煮干」で人気の「丸め」の店主・丸目精一氏が、新たなラーメン作りに挑んでいる。ほれ込んだ背脂煮干でオリジナリティーを確立した丸目氏だが、煮干への研さんをさらに積み、このほど完成させたのが「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」だ。既存の「丸め・武蔵小金井店」を「丸め〜中華そば〜」にリニューアルして10月22日、新ブランドの2品、「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」をデビューさせた。丸目氏の飽くなき探究心を取材した。 丸め~中華そば~ 所在地=東京都小金井市本町2-20-4 営業時間=午前11 時半~午後3時、6時~10時、不定休 「背脂煮干」が「豚骨煮干」「鴨煮干」に 進化 豚骨煮干そば(750円) ※写真は「特製豚骨煮干そば」(950円) 濃厚な豚骨スープと煮干が絶妙にマッチした新感覚の味を表現  「実直」と「不屈」。丸目氏のラーメン人生は、この二つの言葉で形容されると言っていいだろう。 大手総合電機メーカーを退職後、ラーメン店に就職した丸目氏はラーメンをさらに極めるために修業に出る。丸目氏が門をたたいたのは、煮干と動物系のWスープが評判を呼び、第一次ラーメンブームの先駆的存在となった「たけちゃんにぼしらーめん」 「味覚や嗅覚だけではなく〝聴覚〞を使えと教えられました。煮干を手に取ったときの〝カサッ〞という音から煮干の状態をつかめということです。材料もとことん厳選し、煮干や豚骨の量は、以前勤めていた店の3倍は使っていたと思いますね」 約2年間の修業後、2006年12月、開業資金450万円、運転資金100万円を元手に独立。14席をひとりで切り回し、月商250万円を得る。しかし、順調な滑り出しは3ヵ月を経過したころから陰りを見せ始める。1日100杯売っていたのが80杯になり、半年後には40杯に減っていた。 元ラガーマン・186㎝の巨漢が繊細な味作りに打ち込む  「実は売上げが落ち始めたころから、少しずつ材料費をケチッていたんです。すると味が少しずつ落ちる。自分は毎日味をみているから気づかないけど、お客さんにはわかるんですね」と振り返る。 「売れない↓材料費を削る↓味が落ちる↓客数がさらに減る」という〝負のスパイラル〞に陥り、丸目氏はひとりもがき苦しんだ。「あのころはすべてのバランスが悪かった。味のバランスも悪ければ、お客さんとのバランスも悪い。なにより自分自身のバランスが崩れていました」と当時を分析する。 万策尽きたと思われた状態に一筋の光明となったのが、知人のラーメン店主が教えてくれた〝燕三条系ラーメン〞。さっそく新潟県に向かった丸目氏は豚骨と煮干のWスープ、醤油だれ、仕上げに背脂をチャッチャとする燕三条系ラーメンにほれ込んだ。これをベースにオリジナリティーを加えて完成したのが「特濃背脂煮干 燕三条系ラーメン」、現在の「背脂煮干ラーメン」だ。平日で1日150杯、土・日で220杯を売る人気を獲得し、見事に復活した。 しかし、丸目氏のラーメンに賭ける思いは、ここに留まらなかった。さらに煮干を極めたいと挑んで完成させたのが、今回の2種類のラーメン。 「よくラーメンは〝自分の表現〞だって言いますよね。でもラーメンだけでは表現は完成しない。ラーメンを食べたときの〝お客さんの笑顔〞があってこそ、ラーメンという作品の表現は完成するんです」。その笑顔と出会うために、丸目氏は今日もひたすらラーメンに向き合う。 まず、地元での評判を得る 8席で納得した一杯を提供 鴨煮干そば(750円) ※写真は「特製鴨煮干そば」(950円) 鴨脂の香りが際立つ洗練された一杯  丸目氏の渾身の新ブランドである「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」を売り出すのは、武蔵小金井店をリニューアルオープンさせた「丸め〜中華そば〜」。開業は2010年12月1日。立地はJR中央線・武蔵小金井駅北口から小金井街道沿いを歩いて3分。まずまずの立地で、「背脂煮干ラーメン」時代の武蔵小金井店の来客数は平日120人、土・日180人と繁盛店を誇っていた。新ブランドは、スタート当初は1日120杯を狙い、ゆくゆくは200杯が目標だ。 丸目店主が「個人店の理想」と言い切る、隅々まで見渡せる8席の店内  坪数7・8坪、席数はカウンターのみ8席。経営する3店舗の中で一番小規模な店を選んだ理由について、「新たなチャレンジは、まず自分の目と手が行き届く8席の店が理想。自分が納得した一杯をしっかりと伝えたいと思います」(丸目氏)と言う。 JR武蔵小金井駅から徒歩3分の小規模店  リニューアルオープンに伴い外観と店内を改装し、店名にあえて「中華そば」を付けた。「背脂煮干ラーメンで一つの形(ブランド)が完成したと思っています。新たな思いで新ブランドに挑みながらも原点回帰の意味も込め、『中華そば』としました」と言う。 東久留米店と田無店では従来通り「背脂煮干ラーメン」を提供している。 煮干の表現を極める 原価率より自分の味を優先 3種類(大羽、中羽、小羽)のサイズの煮干を使用。「小さい物はダシがすぐに出て、大きいものはゆっくり出ます。この時間差でうま味に深みが増します」(丸目氏)。産地は千葉、長崎、広島など  「豚骨煮干そば」のコンセプトは煮干と濃厚豚骨スープとの究極の融合。1番スープは直径60㎝の寸胴でゲンコツ30㎏、豚頭10個、鶏がら10㎏、豚足、モミジ、背脂各5㎏を炊き、そこに大量の煮干を加える。 煮干は真イワシ5㎏、追い煮干3㎏の合計8㎏。煮干は、本来ならいったん水から煮出して煮干スープにした方が味が出るが、水の量が増えると豚骨スープの濃度が落ちるので、あえて豚骨スープに直接、煮干をかませる手法をとった。そこに宗田節と鯖節を加える。 2番スープは1 番スープを取った残ガラに、モミジ10㎏を加えて炊く。「1番スープだけでは味がブレやすいので、2番スープを合わせて安定させます」と微妙なスープの加減にも気を抜かない。トータルで15時間炊き、1晩寝かせて2日がかりで仕上げる。背脂煮干ラーメンのように仕上げに背脂をチャッチャとして濃厚さを出すのではなく、豚骨スープ自体を〝ねっとり感〞のある濃厚なスープに仕上げることが決め手だ。 これだけの材料を使って150杯を作る予定。「原価率を考えると厳しいものがありますが、理想の味を追求するためには材料はケチりたくないんです」とラーメン職人の心意気を貫く。 穀物酢に煮干を漬け込んだ「にぼ酢」。煮干のだしが出た酢を少量垂らすとスープがまろやかになる  麺は強力粉を軸に加水率を下げた自家製麺。「動物性のスープにはパキッとした噛み応えのある低加水麺が合います」と計算されている。 「鴨煮干そば」のコンセプトは鴨の香りと煮干の調和。鴨脂と鴨がらでビターな香りを表現し、そこに煮干を合わせる。「鴨の香りはクリアで味はビター。食べたときに、なんとも言えない鴨の甘い香りが鼻から抜けます。それが煮干と絶妙に合うんです」と解説する。 スープは鴨がら、豚骨、鶏がら、香味野菜を炊いたスープと、煮干、宗田節、鯖節、昆布を合わせたWスープ。鴨がらを炊いてスープをこしてとった油と鴨脂を合わせて、鴨の香味油を作り、Wスープ、醤油だれ、鴨油が丼の中で調和する。 麺は中力粉と国産小麦を合わせた自家製麺。「豚骨煮干そば」の麺とは異なりしっとりした食感だ。 「丸め 中華そば」の愛用食材 キッコーゴ丸大豆醤油(天然醸造) 販売元=近藤醸造(東京都あきる野市)  大豆、小麦を麹として自然塩水の中に仕込んだ醤油。1世紀近くにわたって代々伝わる醤油造りの技と手造りの良さを生かし、伝統に培われた素朴な風味を持つ。保存料、着色料無添加。「火を入れても醤油の香りが飛ばない点が気に入っています。いろいろ試してみましたが、この醤油が一番。うちの醤油だれの決め手です」(丸目氏) 亡き恩師から一杯に賭ける一徹さ学ぶ 丸目 精一(まるめ・せいいち)  1976 年10月宮崎県都城市生まれ。「子どものころから冷蔵庫の残り物を工夫して、何か作るのが好きでした」と言う。高校時代はラグビー部に所属。高校生ですでに186㎝、100㎏という恵まれた体格を持ち、FWの花形ポジションである「NO.8」として活躍する。 卒業後、大手総合電機メーカーに就職。しかし、持ち前の独立心旺盛な性格が企業組織という枠組みには収まりきらず、安定収入を保証されたサラリーマン人生と決別して、4年後に退職。23歳のときに飲食店を経営する知人に声をかけられ、船橋駅近くのラーメン店の店長を務める。 その後、さらなるラーメン修業を積むために「たけちゃんにぼしらーめん」の門をたたく。ラーメン業界で名を知られたラーメン職人の厳しい指導のもと、ラーメンの真髄を学んでいく。 「店主はとにかく我が強くて、ぶつかることもありましたが、おいしいラーメンを作るための一徹さを学んだと思います。僕のラーメン人生の原点はこの修業時代にあります」と語る。 約2年間の修業を経て退職後、魚介を勉強するため和食店に勤務。2006年、30歳で独立し東京都東久留米市に「丸め」を開業。10年に武蔵小金井店、12年に田無ファミリーランド店をオープン。14年10月、武蔵小金井店をリニューアルし、新ブランドの「豚骨煮干そば」と「鴨煮干そば」を打ち出す。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!