夫婦2人3脚で赤字店を繁盛店に

夫婦2人3脚で赤字店を繁盛店に

所在地=埼玉県鴻巣市屈巣3853─2
営業時間=火~金:午前11時~午後2時、5時~8時
土日祝:午前11時~午後8時
スープがなくなり次第終了)
定休日:月曜日、第4 火曜日
淡麗中華そば 700円
黒こってりラーメン 850円

「朝日屋」の店内には「食べログ ベストラーメン2013 45万人のレビュアーから選ばれた至高の名店」と書かれた証明書が置かれている。今でこそ「食べログ」の人気ラーメン店ランキングで県内3位を誇り、他県からも集客する繁盛店だが、その道のりは決して平坦ではなかった。道を険しくした理由は立地。JR高崎線・鴻巣駅から5㎞、車で20分以上はかかる。交通の便が悪い上に工場やオフィスなど集客の鍵になる建物はなく、民家もまばらだ。周囲を畑に囲まれた同店が、45万人から支持されるまでに至った軌跡を取材した。


そば修業10年で得た珠玉の“かえし”

生家は150年間続いた旅館、母親の実家は創業100年のそば店と、子どものころから「食」とのつながりが強かった黒岩伸夫店主は、高校卒業後、自然と飲食業界への道を歩み始めた。老舗のそば店で10年、有名ラーメンチェーン店で10年の修業を積み、職人としての腕には自信があったが、いざ自分の店を持ち経営者としての一歩を踏み出すとなると覚悟を強いられる。その背中を押したのが、妻の美貴さんだった。 「ラーメン店に務めていたころから、彼は自分のレシピを研究していて、それがとってもおいしくて。こんなにおいしいラーメンを作れるのに、自分の店を持たないなんて、もったいないと思ったんです」という言葉が、黒岩店主に踏ん切りをつけさせた。 独立への決意は固まったものの、今度は資金が心もとない。できるだけ出費を抑えるために選択したのが今の店だ。「前もラーメン店だったので居抜きで入れるのが魅力でした」と黒岩店主。開業資金は、不動産契約料などすべてを含めて200万円。「今の自分たちのお財布でできることをすればいいと思ったんですね。厨房設備も店がもうかってから、少しずつ買い足していけばいいし」と手堅い美貴さん。


田畑に囲まれた悪立地で奮闘

問題は立地だった。周囲には畑が広がり、民家もまばら。ここでも、黒岩店主に勇気を与えたのが「場所じゃない。あなたはおいしいラーメンを作れるんだから大丈夫」と言う美貴さんの後押しだった。しかし、気持ちは奮っても現実は厳しい。開業はしたものの、宣伝費をかけられないので、畑の中のラーメン店を訪れる人は少ない。1日の来店者は15人程度、多くても30人と閑古鳥が鳴き続けた。 しかも、職人気質の黒岩店主は食材にも調理法にも手を抜かない。開店当初は客数が少ないこともあり、原価率が5割にも達していた。当然、赤字の連続。「住まいの水道と電気を止められて、2人して店で寝泊まりしていた時期もあります」と今でこそ笑って話すが、当時はかなり追い詰められた状況だった。 黒岩店主ひとりだったら、挫折していたかもしれないが、夫婦の強い絆が窮状を乗り越えさせた。「お金はなかったですが、不安もなかったですね。彼はやるといったら、やる人ですから」と妻が言えば、「それまでも2人の意見が一致したことはうまくいきましたから」と夫。この2人の信念を揺るぎないものにしたのが、黒岩店主のラーメン職人としての技術だ。 「成否は立地ではない。おいしいラーメンを作ればいい」と言う美貴さんの思いの通りに、「朝日屋」の評判はジワジワと広まり、繁盛店の地位を築いていった。


「淡麗中華そば」(700 円)

「淡麗中華そば」(700 円)

淡麗スープは長時間火を入れていると濁りが出るので夜は提供しない。昼だけの提供で日販の3 分の1 を占める


〔営業の概況〕周囲は田畑でもうまいラーメンは流行る 平日約100人、土日祝約200人を集客

周囲は田畑でもうまいラーメンは流行る 平日約100人、土日祝約200人を集客

2012年3月開業。立地はJR高崎線・鴻巣駅から約5㎞、車で20分以上。最寄りの北鴻巣駅からでも車で15分、徒歩だと1 時間弱。周囲は畑。人口の少ない地域だが「おいしいラーメンを作れば、遠くからでも人がやってくる」という信念のもとに、この地で開業した。 開店後、約半年間、赤字が続く。住まいの水道、ガス、電気を止められても食材には一切妥協しなかった。「2人とも再婚ですが、2人で力を合わせてオープンさせた店がわが子のように思えて。親だったら、どんなことがあっても子どもを守るでしょ。苦しいときは、そんな気持ちでやってきました」と振り返る。 そば店とラーメン店でそれぞれ10年の修業を積んだ黒岩店主が、精魂込めて作るラーメンの味は徐々に広まり、さらに「食べログ」などの口コミサイトでの評判が追い風となって赤字を解消。現在の来店者は平日約100人、土日祝で約200人。土日祝はさすがにアルバイトの応援を頼むが、平日は夫婦2人で切り盛りする。 客単価は9 0 0 円。店舗規模は25坪・15席。3つあるテーブルの間隔が広い。「うちはどんなに混んでいても相席はしません。カウンター席も詰めれば、あと2席くらい置けるけど、お客さまにはゆったりと召し上がっていただきたいので」と美貴さん。開店当初は5割に達していた原価率は、客数が増えて食材のムダがなくなることで、やっと3割まで抑えることができた。もちろん食材の質には1点の妥協もない。むしろ原価率が下がった分、さらに素材へのこだわりを追求していく考えだ。
写真:休日には車で他県からも客が集まり、田畑に囲まれた店頭に行列ができる。


黒こってりラーメン 850円

黒こってりラーメン 850円

淡麗中華そばと共通のかえしにこってり用のスープを加え、仕上げに独自開発したマー油を回し入れる。マー油はコクはあるが、脂っぽさがない。


〔特徴と調理〕そば修業 10 年、ラーメン修業 10 年の経験が融合 高齢者向けに宗田節をスープの主役に

100 円ショップで調達した資材を活用して自ら居抜き店舗を改装。

「朝日屋」の味の決め手は、そば店仕込みのかえしにある。ヒゲタ醤油の「本膳」(濃口しょうゆ)、昆布、椎茸、鯖節、鰹節、ニンニク、青ネギを大型の寸胴で1回に150?仕込む。約3ヵ月かけて使い込むが、時間がたち熟成するほどにうま味が増す。熟成したかえしは、刺し身醤油のようなコクと甘味がある。このかえしが「朝日屋」のすべてのラーメンに使用されている。 かえしには、提供直前に「そば膳」を1滴たらす。スープ400㏄、かえし25㏄、そば膳0・5㏄の割合。そば膳は加熱すると香りが飛ぶので、提供前に加えるのがコツ。朝、その日使う分だけを別容器に移し入れ、残った分は空気に触れると酸化して香りがなくなるので破棄する。 今では「淡麗中華そば」が「朝日屋」の看板メニューになっているが、「淡麗スープは自信がなかった」と黒岩店長。しかし「農家を営む高齢者が多いこの地域には、薄味のラーメンが欠かせない」と言う美貴さんの一声で黒岩店長が淡麗スープの研究を重ねる。その成果で誕生したのが「淡麗中華そば」だ。 スープは鶏がらと宗田節を5時間炊いたもの。宗田節を使うのもそば店仕込み。宗田節は鰹節や鮪節に比べて味が濃厚。濃いだしをとるには最適で、じっくり時間をかけて炊くことでうま味が出る。宗田節の吟味も欠かせない。季節によって脂の乗り方が異なるので、同じ産地のものでも、そのときの状態によって使用量を細かく調節する。 「淡麗中華そば」の具はチャーシュー、メンマ、ホウレンソウ、海苔にたっぷりのネギ。 こってりラーメンのスープは豚骨、アバラ骨などを3日間炊く。「黒こってりラーメン」にかけるマー油は市販品を濾して雑味をとり、ラードを加えたもの。具はチャーシュー、フライドオニオン、刻み玉ネギ、メンマ、ホウレンソウ、水菜。

写真:100 円ショップで調達した資材を活用して自ら居抜き店舗を改装。この日は友人の「らーめん・つけ麺 松江」(埼玉県小川町)の草野典之夫妻が淡麗中華そばの作り方を学びに来て厨房を手伝い。


黒岩 伸夫(くろいわ・のぶお)

黒岩 伸夫(くろいわ・のぶお)

旅館で生まれ、そば店で育ち、そば店とラーメン店で計20年修業
967 年群馬県沼田市生まれ。150 年の歴史を有する「朝日屋旅館」の長男として誕生。幼少期は母親の実家がある前橋市で過ごす。母親の実家も100 年続くそばの名店。物心ついたころからそば店の手伝いをし、そば店を継ぐことを考えて、高校卒業後、老舗そば店に修業に出る。27 歳のときに結婚。「生活を安定させるために」サラリーマンに転職したが、その後、離婚と退職を経験。もともとラーメン好きだったこともあり、週3回通っていた有名店に「ここで働かせてください」と申し出て修業が始まる。その間に妻の美貴さんと出会い結婚。美貴さんがラーメン好きだったことから「そんなにラーメンが好きなら、オレが店を持って、オレの作るラーメンを食べさせてあげるよ」と言ったことがきっかけになり独立を決意。美貴さんも当時勤めていた会社を退職し、2012年3月に「朝日屋」を開業。夫婦二人三脚で畑の真ん中にある店を平日100人、休日200人の客を集める店へと発展させた。

写真:自慢のかえしは大型寸胴で1回になんと150ℓを仕込む。大量に作り、継ぎ足しで熟成させるほどにうま味が増す。


「朝日屋」の愛用食材

超特選 そば膳(濃口しょうゆ)

超特選 そば膳(濃口しょうゆ)
ヒゲタ醤油(東京都中央区)
規格=1・8ℓ
香りそば膳、味本膳。1滴たらすだけで香りが広がる。
麺店向け専用醤油として、一段上の高級つゆに対応した超特選醤油。厳選した原料をふんだんに用いてじっくり熟成。うま味成分が高いうえに色、味、香りのバランスが絶妙。「『香りそば膳、味本膳』というように、1 滴たらすだけで香りが違う。そば店修業時代から、つゆのかえしにはずっとこれを使っていました。うちのラーメンのかえしにも、なくてはならい必需品です」(黒岩店主)

adminラーメントレンド夫婦2人3脚で赤字店を繁盛店に 所在地=埼玉県鴻巣市屈巣3853─2 営業時間=火~金:午前11時~午後2時、5時~8時 土日祝:午前11時~午後8時 スープがなくなり次第終了) 定休日:月曜日、第4 火曜日 淡麗中華そば 700円 黒こってりラーメン 850円 「朝日屋」の店内には「食べログ ベストラーメン2013 45万人のレビュアーから選ばれた至高の名店」と書かれた証明書が置かれている。今でこそ「食べログ」の人気ラーメン店ランキングで県内3位を誇り、他県からも集客する繁盛店だが、その道のりは決して平坦ではなかった。道を険しくした理由は立地。JR高崎線・鴻巣駅から5㎞、車で20分以上はかかる。交通の便が悪い上に工場やオフィスなど集客の鍵になる建物はなく、民家もまばらだ。周囲を畑に囲まれた同店が、45万人から支持されるまでに至った軌跡を取材した。 そば修業10年で得た珠玉の“かえし” 生家は150年間続いた旅館、母親の実家は創業100年のそば店と、子どものころから「食」とのつながりが強かった黒岩伸夫店主は、高校卒業後、自然と飲食業界への道を歩み始めた。老舗のそば店で10年、有名ラーメンチェーン店で10年の修業を積み、職人としての腕には自信があったが、いざ自分の店を持ち経営者としての一歩を踏み出すとなると覚悟を強いられる。その背中を押したのが、妻の美貴さんだった。 「ラーメン店に務めていたころから、彼は自分のレシピを研究していて、それがとってもおいしくて。こんなにおいしいラーメンを作れるのに、自分の店を持たないなんて、もったいないと思ったんです」という言葉が、黒岩店主に踏ん切りをつけさせた。 独立への決意は固まったものの、今度は資金が心もとない。できるだけ出費を抑えるために選択したのが今の店だ。「前もラーメン店だったので居抜きで入れるのが魅力でした」と黒岩店主。開業資金は、不動産契約料などすべてを含めて200万円。「今の自分たちのお財布でできることをすればいいと思ったんですね。厨房設備も店がもうかってから、少しずつ買い足していけばいいし」と手堅い美貴さん。 田畑に囲まれた悪立地で奮闘 問題は立地だった。周囲には畑が広がり、民家もまばら。ここでも、黒岩店主に勇気を与えたのが「場所じゃない。あなたはおいしいラーメンを作れるんだから大丈夫」と言う美貴さんの後押しだった。しかし、気持ちは奮っても現実は厳しい。開業はしたものの、宣伝費をかけられないので、畑の中のラーメン店を訪れる人は少ない。1日の来店者は15人程度、多くても30人と閑古鳥が鳴き続けた。 しかも、職人気質の黒岩店主は食材にも調理法にも手を抜かない。開店当初は客数が少ないこともあり、原価率が5割にも達していた。当然、赤字の連続。「住まいの水道と電気を止められて、2人して店で寝泊まりしていた時期もあります」と今でこそ笑って話すが、当時はかなり追い詰められた状況だった。 黒岩店主ひとりだったら、挫折していたかもしれないが、夫婦の強い絆が窮状を乗り越えさせた。「お金はなかったですが、不安もなかったですね。彼はやるといったら、やる人ですから」と妻が言えば、「それまでも2人の意見が一致したことはうまくいきましたから」と夫。この2人の信念を揺るぎないものにしたのが、黒岩店主のラーメン職人としての技術だ。 「成否は立地ではない。おいしいラーメンを作ればいい」と言う美貴さんの思いの通りに、「朝日屋」の評判はジワジワと広まり、繁盛店の地位を築いていった。 「淡麗中華そば」(700 円) 淡麗スープは長時間火を入れていると濁りが出るので夜は提供しない。昼だけの提供で日販の3 分の1 を占める 〔営業の概況〕周囲は田畑でもうまいラーメンは流行る 平日約100人、土日祝約200人を集客 2012年3月開業。立地はJR高崎線・鴻巣駅から約5㎞、車で20分以上。最寄りの北鴻巣駅からでも車で15分、徒歩だと1 時間弱。周囲は畑。人口の少ない地域だが「おいしいラーメンを作れば、遠くからでも人がやってくる」という信念のもとに、この地で開業した。 開店後、約半年間、赤字が続く。住まいの水道、ガス、電気を止められても食材には一切妥協しなかった。「2人とも再婚ですが、2人で力を合わせてオープンさせた店がわが子のように思えて。親だったら、どんなことがあっても子どもを守るでしょ。苦しいときは、そんな気持ちでやってきました」と振り返る。 そば店とラーメン店でそれぞれ10年の修業を積んだ黒岩店主が、精魂込めて作るラーメンの味は徐々に広まり、さらに「食べログ」などの口コミサイトでの評判が追い風となって赤字を解消。現在の来店者は平日約100人、土日祝で約200人。土日祝はさすがにアルバイトの応援を頼むが、平日は夫婦2人で切り盛りする。 客単価は9 0 0 円。店舗規模は25坪・15席。3つあるテーブルの間隔が広い。「うちはどんなに混んでいても相席はしません。カウンター席も詰めれば、あと2席くらい置けるけど、お客さまにはゆったりと召し上がっていただきたいので」と美貴さん。開店当初は5割に達していた原価率は、客数が増えて食材のムダがなくなることで、やっと3割まで抑えることができた。もちろん食材の質には1点の妥協もない。むしろ原価率が下がった分、さらに素材へのこだわりを追求していく考えだ。 写真:休日には車で他県からも客が集まり、田畑に囲まれた店頭に行列ができる。 黒こってりラーメン 850円 淡麗中華そばと共通のかえしにこってり用のスープを加え、仕上げに独自開発したマー油を回し入れる。マー油はコクはあるが、脂っぽさがない。 〔特徴と調理〕そば修業 10 年、ラーメン修業 10 年の経験が融合 高齢者向けに宗田節をスープの主役に 「朝日屋」の味の決め手は、そば店仕込みのかえしにある。ヒゲタ醤油の「本膳」(濃口しょうゆ)、昆布、椎茸、鯖節、鰹節、ニンニク、青ネギを大型の寸胴で1回に150?仕込む。約3ヵ月かけて使い込むが、時間がたち熟成するほどにうま味が増す。熟成したかえしは、刺し身醤油のようなコクと甘味がある。このかえしが「朝日屋」のすべてのラーメンに使用されている。 かえしには、提供直前に「そば膳」を1滴たらす。スープ400㏄、かえし25㏄、そば膳0・5㏄の割合。そば膳は加熱すると香りが飛ぶので、提供前に加えるのがコツ。朝、その日使う分だけを別容器に移し入れ、残った分は空気に触れると酸化して香りがなくなるので破棄する。 今では「淡麗中華そば」が「朝日屋」の看板メニューになっているが、「淡麗スープは自信がなかった」と黒岩店長。しかし「農家を営む高齢者が多いこの地域には、薄味のラーメンが欠かせない」と言う美貴さんの一声で黒岩店長が淡麗スープの研究を重ねる。その成果で誕生したのが「淡麗中華そば」だ。 スープは鶏がらと宗田節を5時間炊いたもの。宗田節を使うのもそば店仕込み。宗田節は鰹節や鮪節に比べて味が濃厚。濃いだしをとるには最適で、じっくり時間をかけて炊くことでうま味が出る。宗田節の吟味も欠かせない。季節によって脂の乗り方が異なるので、同じ産地のものでも、そのときの状態によって使用量を細かく調節する。 「淡麗中華そば」の具はチャーシュー、メンマ、ホウレンソウ、海苔にたっぷりのネギ。 こってりラーメンのスープは豚骨、アバラ骨などを3日間炊く。「黒こってりラーメン」にかけるマー油は市販品を濾して雑味をとり、ラードを加えたもの。具はチャーシュー、フライドオニオン、刻み玉ネギ、メンマ、ホウレンソウ、水菜。 写真:100 円ショップで調達した資材を活用して自ら居抜き店舗を改装。この日は友人の「らーめん・つけ麺 松江」(埼玉県小川町)の草野典之夫妻が淡麗中華そばの作り方を学びに来て厨房を手伝い。 黒岩 伸夫(くろいわ・のぶお) 旅館で生まれ、そば店で育ち、そば店とラーメン店で計20年修業 967 年群馬県沼田市生まれ。150 年の歴史を有する「朝日屋旅館」の長男として誕生。幼少期は母親の実家がある前橋市で過ごす。母親の実家も100 年続くそばの名店。物心ついたころからそば店の手伝いをし、そば店を継ぐことを考えて、高校卒業後、老舗そば店に修業に出る。27 歳のときに結婚。「生活を安定させるために」サラリーマンに転職したが、その後、離婚と退職を経験。もともとラーメン好きだったこともあり、週3回通っていた有名店に「ここで働かせてください」と申し出て修業が始まる。その間に妻の美貴さんと出会い結婚。美貴さんがラーメン好きだったことから「そんなにラーメンが好きなら、オレが店を持って、オレの作るラーメンを食べさせてあげるよ」と言ったことがきっかけになり独立を決意。美貴さんも当時勤めていた会社を退職し、2012年3月に「朝日屋」を開業。夫婦二人三脚で畑の真ん中にある店を平日100人、休日200人の客を集める店へと発展させた。 写真:自慢のかえしは大型寸胴で1回になんと150ℓを仕込む。大量に作り、継ぎ足しで熟成させるほどにうま味が増す。 「朝日屋」の愛用食材 超特選 そば膳(濃口しょうゆ) ヒゲタ醤油(東京都中央区) 規格=1・8ℓ 香りそば膳、味本膳。1滴たらすだけで香りが広がる。 麺店向け専用醤油として、一段上の高級つゆに対応した超特選醤油。厳選した原料をふんだんに用いてじっくり熟成。うま味成分が高いうえに色、味、香りのバランスが絶妙。「『香りそば膳、味本膳』というように、1 滴たらすだけで香りが違う。そば店修業時代から、つゆのかえしにはずっとこれを使っていました。うちのラーメンのかえしにも、なくてはならい必需品です」(黒岩店主)あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!