大手出版社グランプリ2冠達成

今、ラーメン業界の話題を総なめしているラーメン店がある。講談社が主催する業界最高権威の「TRY大賞」の「しょうゆ部門」を5年連続で受賞。2012年はなんと、しょうゆ、塩、つけ麺の3部門を制覇するという栄誉に輝き、さらに同年の「Ramen Walker」全国総合グランプリも受賞。その店の名は「ラァメン家 69‘N’ROLL ONE」。文字通り、ラーメンファンの垂涎の的になっているラーメンに込められた情熱とは……。


ロックンロールワンの塩ラーメン(800円)

ロックンロールワンの塩ラーメン(800円)

ラァメン家 69‘N’ROLL ONE 
東京都町田市原町田3─1─4 町田ターミナルプラザ2F
営業時間=午前11時~午後5時、6時~8時、木曜定休
具は低温真空調理による鶏むね肉のチャーシュー、穂先メンマ、三ツ葉と極めてシンプル。黄金色に輝くスープは、見た目も味もどこまでも澄み渡っている。


絶えず進化するからこそ到達する味がある

絶えず進化するからこそ到達する味がある

嶋崎店主を評する言葉としてよく使われるのが「孤高のラーメン職人」。周りの評価を意に介さず、自分が求めるラーメンをひたすら追い求めるその姿は、まさしくその形容がふさわしい。
そんな嶋崎店主にも影響を与えた人物がいる。40歳のときに出会った「支那そばや」の佐野実氏と新横浜ラーメン博物館元広報担当の故・武内伸氏。それまでも飲食店を十数軒、経験してきた嶋崎店主が、ラーメン一筋に生きることを決断させた2人だ。「純粋にラーメンのことだけを考える2人を見て、カッコイイなと思いましたね。気持ちが吹っ切れた。この出会いがなかったら今の自分は存在しないと思う」とまで言う。
嶋崎店主は、2人に対して「リスペクト」という言葉を使う。そして「リスペクト」とラーメン業界でよく使われる「インスパイア」とは「まったく違う」と断言する。
「インスパイアって、自分に言わせると、ただの〝パクリ〟。人から教わったことは、いったんかみ砕いて自分のものにしなければ、それはまねでしかないでしょ。リスペクトは違う。ラーメンの作り方をまねるんじゃなくて、その人のラーメンに対する姿勢を学び、魂を習うことだと思っています」
嶋崎店主は徹底的に素材と向き合う。
「野菜や魚介などいろいろな素材を足すと、ラーメンって、それなりに味ができるんです。自分の味は、引き算で作り出します。だから1つの素材をとことん追求するんです」
その結果、水は、逆浸透膜の浄水器でろ過した水をさらにイオン交換樹脂を通し、不純物ゼロの0ppmにたどり着く。鶏油のかけ方、ひとつにしても、たれを張ってからかけるのか、張る前か、2度がけするのかを突き詰める。器は、セラミック効果のある有田焼を譲らない。
「1つ1つのことは、1㎜ずつしかうまさを加算しないかもしれない。でも、それが50ヵ所あったら5㎝になる。その50ヵ所がさらに1㎜ずつ伸びたら、10㎝になる。進化って、そういうことじゃないかな」と言う嶋崎店主が、大切にしている言葉が「変わらないために変わり続ける」。お客さんに「いつもおいしい」と思ってもらうためには、「進化することが不可欠だ」という故・武内伸氏の教えだ。
器の縁に1周、ユズ果汁をこすり付け、塩ラーメンが完成。華麗な立ち居振る舞いにお客の視線が集中!


2号ラーメン (750円)

2号ラーメン (750円)

比内地鶏のがらだけで炊き出したスープ、醤油だけの
シンプルな調味。2つの素材を見事に融合させている


味だけでなく〝仕事を見せる〞 ラーメン職人の心意気

開業は2005年12月。旧店舗の立地条件はJR・町田駅から徒歩約10分。「たまたま店を見つけて、フラリと立ち寄られるのはイヤなんですよね。うちの店を目指して来てほしい」とわざと駅から離れた立地を選択。2011年に現在地に移転。25坪12席で、嶋崎店主の他、スタッフ3人で運営している。客単価は約1000円。主なメニューは、醤油味の「2号ラーメン」(750円)、このたび「3号ラーメン」から完全リニューアルした「ロックンロールワンの塩ラーメン」(800円)。その他「ロックンロールワンの煮干し麺」(1000円)もある。2009年から2011年の間に、248種類の期間限定メニューを披露。店内はやや暗めで、黒と紫を基調カラーとした内装。厨房に置かれたステンレス製品の銀色と相性がいい。湯切りの独特な動作、仕上げのたまり醤油のかけ方などに思わず視線が集まる。「お客さんの目に美しく見える歩き方、立ち方、視線など立ち居振る舞いにも神経を使っています」


新生「ロックンロールワンの塩ラーメン」 人との出会い、物との出合いが誕生に結びつく

新生「ロックンロールワンの塩ラーメン」 人との出会い、物との出合いが誕生に結びつく

塩ラーメンの3号ラーメンを、嶋崎店主の誕生日7月4日を機に一新。水へのこだわりはすこぶる強い。不純物ゼロの0ppmの超純水を使用。比内地鶏のうま味を最大限に引き出す水だ。
ロックンロールワンの塩ラーメン誕生までには、幾度となく試行錯誤を繰り返した。昆布100%の水出しのスープ、煮干しだけのスープなど数え切れないほど試作した末にたどり着いた「オレの塩ラーメン」がこれ。「見た目は極めてシンプルですが、ここ何年かの自分の集大成です。いろんな人や食材との出合いがつながって、あるとき、ふっとオレの塩ラーメンはこれだと思いました」と言う。スープのベースは公開しない。もちろん科学調味料は不使用。
塩は、沖縄の海塩「ぬちまーす」と高知県産の完全天日塩「海一粒」。塩ラーメンは味が淡泊なだけに、揚げネギや香味油でインパクトを付けたくなるところを「あえて何もせずに、たれとスープだけでまとめたかった」。嶋崎流の引き算の味の極め方だ。仕上げにナイフでわずかに削り入れるユズの皮から立つ香りと、切り口を丼の縁にこすり付けて移した香りが、このラーメンの気品を一層際立たせる。さらに塩とたまり醤油をひと振り。
麺は、国産小麦粉数種類をブレンドした2号ラーメンと同種の中細ストレート麺。麺量は140g。チャーシューは鶏むね肉の低温真空調理。メンマは穂先メンマ。
4分に3杯のペースで黙々と作り続ける。客席後方には待ち客がズラリ


豆のたまり なじみ

ラァメン家 69‘N’ROLL ONEの愛用食材

豆のたまり なじみ
製造者:南蔵商店(愛知県知多郡武豊町里中58)
国産丸大豆と天日塩を使用し、あしかけ3年じっくり熟成。そのままかけてもそばつゆ、煮物などどんな料理にも使える。嶋崎店主はバーテンダーがカクテルに使用するビターボトルに入れ、仕上げに5~6滴垂らす。そのパフォーマンスも目を引くが、カウンターに置かれた丼に顔を近づけた瞬間、大豆と小麦を発酵熟成させた香りがスーッと鼻孔に触れる。「香りも味になる」という嶋崎店主のこだわりがここにある。
規格=900ml 1,200円(税込み)


嶋崎 順一(しまざき・じゅんいち)

嶋崎 順一(しまざき・じゅんいち)

1965年東京都町田市生まれ。
16歳のときアルバイト先の料理人にラーメンの作り方を教わり、自宅で実践。それ以来、ラーメン店を食べ歩き、ラーメン店を含む十数軒の飲食店で料理修業を重ねる。2005年12月地元町田で「ラァメン家 69‘N’ROLL ONE」を開業。店名の「ロック」は、音楽とは関係なく“ROCK”な生き方を表し、「ONE」は「順一」の「一」とのこと。ロック調のシャツは「動きやすいから」、リーゼントヘアは「調理中に髪の毛が落ちてこないから」。07年「TRYしょうゆ部門」受賞。鶏と醤油、たったこの2つの素材に徹底的にこだわった味が高い評価を受け、ラーメン業界の話題をさらう。「TRYしょうゆ部門」はこの年から連続して5年間受賞。11年はラーメン通7人が参加して決定する講談社の「TRY大賞総合1位」も獲得。この年、現在地に移転。今年は「Ramen Walker」全国総合グランプリ受賞。さらに「TRY大賞」のしょうゆ、塩、つけ麺の3冠を史上初の制覇。ラーメン業界で今、最も注目を集めているラーメン職人だ。死ぬまで味の追求を決意した〝ラーメン人生〟

adminラーメントレンド大手出版社グランプリ2冠達成 今、ラーメン業界の話題を総なめしているラーメン店がある。講談社が主催する業界最高権威の「TRY大賞」の「しょうゆ部門」を5年連続で受賞。2012年はなんと、しょうゆ、塩、つけ麺の3部門を制覇するという栄誉に輝き、さらに同年の「Ramen Walker」全国総合グランプリも受賞。その店の名は「ラァメン家 69‘N’ROLL ONE」。文字通り、ラーメンファンの垂涎の的になっているラーメンに込められた情熱とは……。 ロックンロールワンの塩ラーメン(800円) ラァメン家 69‘N’ROLL ONE  東京都町田市原町田3─1─4 町田ターミナルプラザ2F 営業時間=午前11時~午後5時、6時~8時、木曜定休 具は低温真空調理による鶏むね肉のチャーシュー、穂先メンマ、三ツ葉と極めてシンプル。黄金色に輝くスープは、見た目も味もどこまでも澄み渡っている。 絶えず進化するからこそ到達する味がある 嶋崎店主を評する言葉としてよく使われるのが「孤高のラーメン職人」。周りの評価を意に介さず、自分が求めるラーメンをひたすら追い求めるその姿は、まさしくその形容がふさわしい。 そんな嶋崎店主にも影響を与えた人物がいる。40歳のときに出会った「支那そばや」の佐野実氏と新横浜ラーメン博物館元広報担当の故・武内伸氏。それまでも飲食店を十数軒、経験してきた嶋崎店主が、ラーメン一筋に生きることを決断させた2人だ。「純粋にラーメンのことだけを考える2人を見て、カッコイイなと思いましたね。気持ちが吹っ切れた。この出会いがなかったら今の自分は存在しないと思う」とまで言う。 嶋崎店主は、2人に対して「リスペクト」という言葉を使う。そして「リスペクト」とラーメン業界でよく使われる「インスパイア」とは「まったく違う」と断言する。 「インスパイアって、自分に言わせると、ただの〝パクリ〟。人から教わったことは、いったんかみ砕いて自分のものにしなければ、それはまねでしかないでしょ。リスペクトは違う。ラーメンの作り方をまねるんじゃなくて、その人のラーメンに対する姿勢を学び、魂を習うことだと思っています」 嶋崎店主は徹底的に素材と向き合う。 「野菜や魚介などいろいろな素材を足すと、ラーメンって、それなりに味ができるんです。自分の味は、引き算で作り出します。だから1つの素材をとことん追求するんです」 その結果、水は、逆浸透膜の浄水器でろ過した水をさらにイオン交換樹脂を通し、不純物ゼロの0ppmにたどり着く。鶏油のかけ方、ひとつにしても、たれを張ってからかけるのか、張る前か、2度がけするのかを突き詰める。器は、セラミック効果のある有田焼を譲らない。 「1つ1つのことは、1㎜ずつしかうまさを加算しないかもしれない。でも、それが50ヵ所あったら5㎝になる。その50ヵ所がさらに1㎜ずつ伸びたら、10㎝になる。進化って、そういうことじゃないかな」と言う嶋崎店主が、大切にしている言葉が「変わらないために変わり続ける」。お客さんに「いつもおいしい」と思ってもらうためには、「進化することが不可欠だ」という故・武内伸氏の教えだ。 器の縁に1周、ユズ果汁をこすり付け、塩ラーメンが完成。華麗な立ち居振る舞いにお客の視線が集中! 2号ラーメン (750円) 比内地鶏のがらだけで炊き出したスープ、醤油だけの シンプルな調味。2つの素材を見事に融合させている 味だけでなく〝仕事を見せる〞 ラーメン職人の心意気 開業は2005年12月。旧店舗の立地条件はJR・町田駅から徒歩約10分。「たまたま店を見つけて、フラリと立ち寄られるのはイヤなんですよね。うちの店を目指して来てほしい」とわざと駅から離れた立地を選択。2011年に現在地に移転。25坪12席で、嶋崎店主の他、スタッフ3人で運営している。客単価は約1000円。主なメニューは、醤油味の「2号ラーメン」(750円)、このたび「3号ラーメン」から完全リニューアルした「ロックンロールワンの塩ラーメン」(800円)。その他「ロックンロールワンの煮干し麺」(1000円)もある。2009年から2011年の間に、248種類の期間限定メニューを披露。店内はやや暗めで、黒と紫を基調カラーとした内装。厨房に置かれたステンレス製品の銀色と相性がいい。湯切りの独特な動作、仕上げのたまり醤油のかけ方などに思わず視線が集まる。「お客さんの目に美しく見える歩き方、立ち方、視線など立ち居振る舞いにも神経を使っています」 新生「ロックンロールワンの塩ラーメン」 人との出会い、物との出合いが誕生に結びつく 塩ラーメンの3号ラーメンを、嶋崎店主の誕生日7月4日を機に一新。水へのこだわりはすこぶる強い。不純物ゼロの0ppmの超純水を使用。比内地鶏のうま味を最大限に引き出す水だ。 ロックンロールワンの塩ラーメン誕生までには、幾度となく試行錯誤を繰り返した。昆布100%の水出しのスープ、煮干しだけのスープなど数え切れないほど試作した末にたどり着いた「オレの塩ラーメン」がこれ。「見た目は極めてシンプルですが、ここ何年かの自分の集大成です。いろんな人や食材との出合いがつながって、あるとき、ふっとオレの塩ラーメンはこれだと思いました」と言う。スープのベースは公開しない。もちろん科学調味料は不使用。 塩は、沖縄の海塩「ぬちまーす」と高知県産の完全天日塩「海一粒」。塩ラーメンは味が淡泊なだけに、揚げネギや香味油でインパクトを付けたくなるところを「あえて何もせずに、たれとスープだけでまとめたかった」。嶋崎流の引き算の味の極め方だ。仕上げにナイフでわずかに削り入れるユズの皮から立つ香りと、切り口を丼の縁にこすり付けて移した香りが、このラーメンの気品を一層際立たせる。さらに塩とたまり醤油をひと振り。 麺は、国産小麦粉数種類をブレンドした2号ラーメンと同種の中細ストレート麺。麺量は140g。チャーシューは鶏むね肉の低温真空調理。メンマは穂先メンマ。 4分に3杯のペースで黙々と作り続ける。客席後方には待ち客がズラリ ラァメン家 69‘N’ROLL ONEの愛用食材 豆のたまり なじみ 製造者:南蔵商店(愛知県知多郡武豊町里中58) 国産丸大豆と天日塩を使用し、あしかけ3年じっくり熟成。そのままかけてもそばつゆ、煮物などどんな料理にも使える。嶋崎店主はバーテンダーがカクテルに使用するビターボトルに入れ、仕上げに5~6滴垂らす。そのパフォーマンスも目を引くが、カウンターに置かれた丼に顔を近づけた瞬間、大豆と小麦を発酵熟成させた香りがスーッと鼻孔に触れる。「香りも味になる」という嶋崎店主のこだわりがここにある。 規格=900ml 1,200円(税込み) 嶋崎 順一(しまざき・じゅんいち) 1965年東京都町田市生まれ。 16歳のときアルバイト先の料理人にラーメンの作り方を教わり、自宅で実践。それ以来、ラーメン店を食べ歩き、ラーメン店を含む十数軒の飲食店で料理修業を重ねる。2005年12月地元町田で「ラァメン家 69‘N’ROLL ONE」を開業。店名の「ロック」は、音楽とは関係なく“ROCK”な生き方を表し、「ONE」は「順一」の「一」とのこと。ロック調のシャツは「動きやすいから」、リーゼントヘアは「調理中に髪の毛が落ちてこないから」。07年「TRYしょうゆ部門」受賞。鶏と醤油、たったこの2つの素材に徹底的にこだわった味が高い評価を受け、ラーメン業界の話題をさらう。「TRYしょうゆ部門」はこの年から連続して5年間受賞。11年はラーメン通7人が参加して決定する講談社の「TRY大賞総合1位」も獲得。この年、現在地に移転。今年は「Ramen Walker」全国総合グランプリ受賞。さらに「TRY大賞」のしょうゆ、塩、つけ麺の3冠を史上初の制覇。ラーメン業界で今、最も注目を集めているラーメン職人だ。死ぬまで味の追求を決意した〝ラーメン人生〟あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!