満足のイメージを突き詰めた1杯【中華そば 高安】

京都の「中華そば 高安」は、関西屈指の人気を誇る超繁盛ラーメン店。上品なコクと甘味、軟らかな口当たりが心地よい白濁スープが、地元客のみならず多くのラーメンファンを魅了している。創業は1988年。店主は証券マンから脱サラ独立した高安慶光氏(43歳)。ラーメン好きが高じて出店したものの、1年目の集客は1日数人で、3年間赤字続きの辛酸を味わったという。それがいまや1日500人以上も珍しくない、京都名物にまで上り詰めている。
立地は、叡山電車の一乗寺駅から徒歩3分ほどの住宅街。京大をはじめとする大学密集地として知られる。客層は学生を中心に老若男女幅広く、客単価は830円。27坪・23席、1日12時間半の営業で集客は平日350人、休日や観光シーズンは500人に達する。また、ラーメン以外にサイドメニューの充実でも有名だ。九州仕込みの「鶏から揚げ」、好みで量を指定できる「無料ライス」、取り放題の「ニラごま」の3品が人気に輪をかけている。
高安店主は「飲食商売は、味はもとよりボリュームの満足も大切」と語り、「味わい深いラーメン、腹いっぱいになるサイドメニュー。この二本柱が繁盛の決め手」と強調。来店客の9割以上がラーメンにサイド3品のすべてを組み合わせるという。また、この3品は当店に限らず、京都のラーメン店で定番となっている模様だ。


【中華そば 650円】 夫婦で24時間かけて完成させた白濁スープが売り物

【中華そば 650円】 夫婦で24時間かけて完成させた白濁スープが売り物

ラーメン店で成功するのは容易ではない。「99%失敗する」と断言されても、のめり込んでしまう輩は後を絶たない。成功には、努力と根性、接客業の自覚、時の運が不可欠。「中華そば 高安」は、その一連を体現してきた典型である。ラーメン好きの青年が、ラーメンを本業にして得たものは、独自の味以上に“商売の心得”が大きかったという。
かつてラーメン博士と呼ばれていた高安氏は、自宅に業務用ローレンジを設置してスープ作りを試すほどラーメン好きだった。だが、自信を持って脱サラ出店したものの、来店は一見客ばかり。それも1日数人程度でスープを飲み干されることは皆無だった。
高安店主は「趣味は通じない。お客が満足するイメージを突き詰めて、その思いを1杯に込める大切さを痛感した」と述懐し、「逆に1杯に込めることができれば、ラーメン以外の商売にも通じる」と説く。商売の心得を悟った高安店主は、現在1店舗ながら社員10人を抱え、次なるラーメンを模索中。「ラーメン作りは究極のフードクリエーター」という自負は、今度は本物。新たな味づくりが注目されるところだ。


丸1日で理想の味に近づく 寝る間を惜しみ夫婦交代で火の番

丸1日で理想の味に近づく 寝る間を惜しみ夫婦交代で火の番

上品なコクと甘味、軟らかな口当たりが心地よい白濁スープが特徴。決め手のがらスープは、もみじ、豚ゲンコツ、鶏がらをベースに、豚背骨、豚足、豚背脂を加え、丸1日炊き出したもの。かえしは、薄口醤油をベースに一般的に調味したもの。
白濁スープについて高安店主は「とにかく時間をかける。それに尽きる」とし、「6~12時間で炊き出してた当初は、全然売れませんでした。丸1日に伸ばしたら、だんだん自分のイメージに近づき、3年間かけて完成。夫婦交代で丸1日、火の番を務め、素材分量と火加減の研究を重ねてきた努力が実りました」と振り返る。
麺はストレートの細乾麺135g。薬味の長ネギは力強い食感が魅力の5mm厚。チャーシューは4時間煮込んだ豚うで肉。変色や乾燥を避けるため、注文ごとにスライサーで2mm厚にカットしており、「香り高くジューシー」と好評だ。器の表面を覆い隠すほどの盤形だが、薄い分、スープがよくなじみ、一体化した濃厚な味わいが楽しめる。


“京都名物” 「鶏から揚げ」「無料ライス」「ニラごま」

京都名物” 「鶏から揚げ」「無料ライス」「ニラごま」

ラーメンを味わい、サイドで腹いっぱい
「鶏から揚げ」は、鶏もも肉を醤油だれに十分漬け込んだ本格九州仕込み。1個70~80gのビッグサイズで、3個350円、5個500円。1~2個付きのラーメンセットも人気。「ライス」は150円だが、平日昼は無料。注文時に好みの量を指定できる。「ニラごま」は、湯がいたニラに韓国産唐辛子、ごま油などをあえたもので、ラーメンのトッピングや箸休めに欠かせない、取り放題の一品。これら3品は、当店だけでなく京都のラーメン店の定番になりつつある


高安慶光(たかやす・よしみつ)

高安慶光(たかやす・よしみつ)

中華そば 高安 店主
店舗所在地=京都市左京区東大路北泉通下ル一乗寺高槻町10
1968年、京都市生まれ。立命館大学経営学部卒。
学生時代、周囲からラーメン博士と呼ばれるほどラーメン好きで、食べない日はなかったという。卒業後、山一証券に入社。証券マンとして和歌山支店に勤めるが、外勤営業職が肌に合わず2年で退社。後、フリーターで過ごす傍ら、ラーメン好きが講じて、業務用のガス管を自宅に引き、ローレンジを設置。趣味でスープ作りを始める。そして、知り合いのラーメン店に自信作の評価を依頼し、「絶対いける」と背中を押され、独立を決意した。1年間、高給の期間工を勤め、預金と合わせ自己資金500万円を用意。98年、初期投資350万円、8.4坪、11席、家賃7万円の「中華そば 高安」を創業。経営が安定した2005年、近隣の現店に移転。2008年、高安㈱で法人化。現在1店舗ながら社員10人を抱え、多店舗化や新規事業の展開に向け、地盤固めに努めている。近々新しいコンセプトのラーメン店を開業予定。


高安店主の愛用食材

高安店主の愛用食材

創業以来、「月印 うすくち マルテン醤油」と「韓国料理用 唐がらし」を愛用している。マルテン醤油は、スープの味を邪魔することなく、程よいうま味を演出する決め手として譲れない一品。唐辛子は、韓国産ならではの独特の甘味が特徴。ニラごまの調味、から揚げのスパイスに活用している。また、使い切りできる少量パックも好感だという。

adminラーメントレンド満足のイメージを突き詰めた1杯【中華そば 高安】 京都の「中華そば 高安」は、関西屈指の人気を誇る超繁盛ラーメン店。上品なコクと甘味、軟らかな口当たりが心地よい白濁スープが、地元客のみならず多くのラーメンファンを魅了している。創業は1988年。店主は証券マンから脱サラ独立した高安慶光氏(43歳)。ラーメン好きが高じて出店したものの、1年目の集客は1日数人で、3年間赤字続きの辛酸を味わったという。それがいまや1日500人以上も珍しくない、京都名物にまで上り詰めている。 立地は、叡山電車の一乗寺駅から徒歩3分ほどの住宅街。京大をはじめとする大学密集地として知られる。客層は学生を中心に老若男女幅広く、客単価は830円。27坪・23席、1日12時間半の営業で集客は平日350人、休日や観光シーズンは500人に達する。また、ラーメン以外にサイドメニューの充実でも有名だ。九州仕込みの「鶏から揚げ」、好みで量を指定できる「無料ライス」、取り放題の「ニラごま」の3品が人気に輪をかけている。 高安店主は「飲食商売は、味はもとよりボリュームの満足も大切」と語り、「味わい深いラーメン、腹いっぱいになるサイドメニュー。この二本柱が繁盛の決め手」と強調。来店客の9割以上がラーメンにサイド3品のすべてを組み合わせるという。また、この3品は当店に限らず、京都のラーメン店で定番となっている模様だ。 【中華そば 650円】 夫婦で24時間かけて完成させた白濁スープが売り物 ラーメン店で成功するのは容易ではない。「99%失敗する」と断言されても、のめり込んでしまう輩は後を絶たない。成功には、努力と根性、接客業の自覚、時の運が不可欠。「中華そば 高安」は、その一連を体現してきた典型である。ラーメン好きの青年が、ラーメンを本業にして得たものは、独自の味以上に“商売の心得”が大きかったという。 かつてラーメン博士と呼ばれていた高安氏は、自宅に業務用ローレンジを設置してスープ作りを試すほどラーメン好きだった。だが、自信を持って脱サラ出店したものの、来店は一見客ばかり。それも1日数人程度でスープを飲み干されることは皆無だった。 高安店主は「趣味は通じない。お客が満足するイメージを突き詰めて、その思いを1杯に込める大切さを痛感した」と述懐し、「逆に1杯に込めることができれば、ラーメン以外の商売にも通じる」と説く。商売の心得を悟った高安店主は、現在1店舗ながら社員10人を抱え、次なるラーメンを模索中。「ラーメン作りは究極のフードクリエーター」という自負は、今度は本物。新たな味づくりが注目されるところだ。 丸1日で理想の味に近づく 寝る間を惜しみ夫婦交代で火の番 上品なコクと甘味、軟らかな口当たりが心地よい白濁スープが特徴。決め手のがらスープは、もみじ、豚ゲンコツ、鶏がらをベースに、豚背骨、豚足、豚背脂を加え、丸1日炊き出したもの。かえしは、薄口醤油をベースに一般的に調味したもの。 白濁スープについて高安店主は「とにかく時間をかける。それに尽きる」とし、「6~12時間で炊き出してた当初は、全然売れませんでした。丸1日に伸ばしたら、だんだん自分のイメージに近づき、3年間かけて完成。夫婦交代で丸1日、火の番を務め、素材分量と火加減の研究を重ねてきた努力が実りました」と振り返る。 麺はストレートの細乾麺135g。薬味の長ネギは力強い食感が魅力の5mm厚。チャーシューは4時間煮込んだ豚うで肉。変色や乾燥を避けるため、注文ごとにスライサーで2mm厚にカットしており、「香り高くジューシー」と好評だ。器の表面を覆い隠すほどの盤形だが、薄い分、スープがよくなじみ、一体化した濃厚な味わいが楽しめる。 “京都名物” 「鶏から揚げ」「無料ライス」「ニラごま」 ラーメンを味わい、サイドで腹いっぱい 「鶏から揚げ」は、鶏もも肉を醤油だれに十分漬け込んだ本格九州仕込み。1個70~80gのビッグサイズで、3個350円、5個500円。1~2個付きのラーメンセットも人気。「ライス」は150円だが、平日昼は無料。注文時に好みの量を指定できる。「ニラごま」は、湯がいたニラに韓国産唐辛子、ごま油などをあえたもので、ラーメンのトッピングや箸休めに欠かせない、取り放題の一品。これら3品は、当店だけでなく京都のラーメン店の定番になりつつある 高安慶光(たかやす・よしみつ) 中華そば 高安 店主 店舗所在地=京都市左京区東大路北泉通下ル一乗寺高槻町10 1968年、京都市生まれ。立命館大学経営学部卒。 学生時代、周囲からラーメン博士と呼ばれるほどラーメン好きで、食べない日はなかったという。卒業後、山一証券に入社。証券マンとして和歌山支店に勤めるが、外勤営業職が肌に合わず2年で退社。後、フリーターで過ごす傍ら、ラーメン好きが講じて、業務用のガス管を自宅に引き、ローレンジを設置。趣味でスープ作りを始める。そして、知り合いのラーメン店に自信作の評価を依頼し、「絶対いける」と背中を押され、独立を決意した。1年間、高給の期間工を勤め、預金と合わせ自己資金500万円を用意。98年、初期投資350万円、8.4坪、11席、家賃7万円の「中華そば 高安」を創業。経営が安定した2005年、近隣の現店に移転。2008年、高安㈱で法人化。現在1店舗ながら社員10人を抱え、多店舗化や新規事業の展開に向け、地盤固めに努めている。近々新しいコンセプトのラーメン店を開業予定。 高安店主の愛用食材 創業以来、「月印 うすくち マルテン醤油」と「韓国料理用 唐がらし」を愛用している。マルテン醤油は、スープの味を邪魔することなく、程よいうま味を演出する決め手として譲れない一品。唐辛子は、韓国産ならではの独特の甘味が特徴。ニラごまの調味、から揚げのスパイスに活用している。また、使い切りできる少量パックも好感だという。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!