市場をテーマに地産地消を実現

市場をテーマに地産地消を実現

魚のアラと豚骨を炊き出した「あら焚き豚骨」が、激戦区の札幌で脚光を浴びている。
作り手は、東京から移住、出店した高山秀男店主(36歳)。屋号は「あら焚き豚骨あらとん」。
味噌が根強い札幌でジワジワ頭角を現していること、地産地消の切り口を明快に表現したことから、業界内では「がらスープの新境地を切り開いた」との評判が広がっている。


あら焚き豚骨 あらとん【あら焚き豚骨スープ】

180度Cのオープンで魚のアラを約1時間焼いてから豚骨スープと合わせ、約3時間炊き出す。魚のアラは、サケとタラの頭部が主力。
高山店主は「アラの焼き加減は8割程度。
焼きすぎると香りが弱くなる」と明かし、「乾物(節)系を合わせて炊くと、香りと味に角が立ち、舌触りにザラつきが出るが、魚のアラだと、香りと味に丸みがあり、舌触りもなめらか」と説く


魚のアラと豚骨が見事に融合

魚のアラと豚骨が見事に融合

あら焚き豚骨は、焼いた魚頭(アラ)と豚骨スープを炊き合わせた濃厚な魚介豚骨がらスープ。これをベースに醤油味、味噌味、つけ麺の3品を展開している。
発案者の高山店主は、「麺屋武蔵」で5年間の修業を経て独立。
力試しを決意し、裸一貫で見知らぬ激戦区に飛び込んだ。
決めていたのは1つだけ。“市場”をテーマにした地産地消のラーメンを作り上げることだった。
店探しのかたわら札幌中央卸売市場に通い詰め、地域色が濃い「魚のアラ」に着目。
廃棄も珍しくない魚の頭部を魚種を問わず引き受け、骨を焼く洋食(フォン)の炊き出し方を応用し、見事に豚骨スープと融合させた。
2006年8月、札幌中央卸売市場前の長屋の一角に出店。
圧倒的に味噌が強い札幌でも着実に常連客を獲得し、いまや日販約200杯、スープ売り切れ終了、夕方前に閉店の繁盛ぶりを見せている。


業界認識を覆したつけ麺の大ヒット

業界認識を覆したつけ麺の大ヒット

2006年8月に開業。
立地は札幌中央卸売市場の場外長屋の一角。カウンター13席、券売機注文の小規模店で、市場関係者の食事時間に合わせ午前9時に開店している。
客層は市場関係者と札幌市内の地元客が半々。ラーメン目当ての観光客は、まだ少ない。日販は約200食。
毎朝約80Lのスープを仕込み、スープ終了次第、閉店となるが、最近は午後4時前の閉店も珍しくなく、来店客から延長の要望もあり、限定日を設け、午後5時から第2部営業を試している。
あら炊き豚骨をベースとするラーメンは、醤油味、味噌味、つけ麺の3品。
当初は醤油味が看板の位置付けだったが、最近、つけ麺の人気に火がつき、現在の注文比率は、つけ麺6割、醤油味3割、味噌味1割。
「札幌でつけ麺は絶対に無理」と叫ばれてきた業界認識を覆し、業界関係者の関心を集めている。
2010年8月、2号店の「北大店」を開店。今年6月、タイ・バンコクに海外1号店を開店。
10月末、タイ2号店を出店予定。以降の出店計画は未定だが、人材育成を第一に、のれん分けの多店舗化を目指している。


あらとん つけ麺 醤油 700円

あらとん つけ麺 醤油 700円

「札幌でつけ麺は絶対に無理」と叫ばれてきた業界認識を覆した逸品。麺食後、がらスープの追い足しで飲み干すのが定番。
その際、甘酢を少量加えてスープの味を劇的に変化させる。この演出が人気の決め手


乾物よりも丸みがあってなめらか

乾物よりも丸みがあってなめらか

あら焚き豚骨スープの原料は、豚骨と魚のアラ。スープ80L分の分量は、豚骨50kg、魚のアラ1kg。
豚骨は豚頭骨、げん骨、背骨を8時間以上炊き出す。魚のアラは、魚頭を主力に、魚種はサケ、タラ、キンキ、ホッケ、ソイなど季節によって変わる。
それらを180度Cのオーブンで1時間弱焼き上げ、豚骨スープと合わせ、さらに約3時間炊き上げる。
高山店主は「アラの焼き加減は8割程度。焼きすぎると香りが弱くなる」と明かし、「乾物(節)系を合わせて炊くと、香りと味に角が立ち、舌触りにザラつきが出るが、魚のアラだと、香りと味に丸みがあり、舌触りもなめらか」と説く。
あら焚き豚骨スープをベースに、醤油味、味噌味、つけ麺を展開。盛り付け分量は、醤油味と味噌味はスープ320mlに対し、たれ36ml、極太縮れ麺180g(生)、つけ麺はスープ200mlに対し、たれ30ml、極太縮れ麺360g(生)。仕上げに全品共通で豚背脂・香味油のブレンド40mlが加えられる。
魚のアラは、すべて札幌中央卸売市場の契約業者から調達。通年主力となる北海道名産のサケとタラをベースに旬魚を加えることベースに旬魚を加えることで、季節ごとに微妙な変化を演出している。


山田氏に共感~実務と心構えを学ぶ~

山田氏に共感~実務と心構えを学ぶ~

高山秀男(たかやま・ひでお)
1975年千葉県松戸市生まれ。
辻調理師専門学校で洋食を中心に学び、卒業後、料理道を模索するため、業種を問わず飲食店を渡り歩く。24歳の時、知人から「麺屋武蔵」の山田雄氏を紹介され入店。当初は1年修業して退社するつもりだったが、山田氏の経営理念に強く共感し継続。
「武蔵出身というと、武蔵の味を勉強したと見られますが、実際は大違い。店舗管理や接客対応など、経営の実務と客商売の心構えをたたき込まれました」(高山店主)とし、5年間、現場修業を積む。 修業過程で「限られた一杯に精いっぱいの思いを込め、常にお客さまを第一に進化しなければならないこと」を悟り、山田氏から及第点を受け独立。
「決してラーメン好きではない。思いを伝える料理に最適なラーメンを選んだだけ」(高山店主)とし、日々研鑽に努めている。

adminラーメントレンド市場をテーマに地産地消を実現 魚のアラと豚骨を炊き出した「あら焚き豚骨」が、激戦区の札幌で脚光を浴びている。 作り手は、東京から移住、出店した高山秀男店主(36歳)。屋号は「あら焚き豚骨あらとん」。 味噌が根強い札幌でジワジワ頭角を現していること、地産地消の切り口を明快に表現したことから、業界内では「がらスープの新境地を切り開いた」との評判が広がっている。 あら焚き豚骨 あらとん【あら焚き豚骨スープ】 180度Cのオープンで魚のアラを約1時間焼いてから豚骨スープと合わせ、約3時間炊き出す。魚のアラは、サケとタラの頭部が主力。 高山店主は「アラの焼き加減は8割程度。 焼きすぎると香りが弱くなる」と明かし、「乾物(節)系を合わせて炊くと、香りと味に角が立ち、舌触りにザラつきが出るが、魚のアラだと、香りと味に丸みがあり、舌触りもなめらか」と説く 魚のアラと豚骨が見事に融合 あら焚き豚骨は、焼いた魚頭(アラ)と豚骨スープを炊き合わせた濃厚な魚介豚骨がらスープ。これをベースに醤油味、味噌味、つけ麺の3品を展開している。 発案者の高山店主は、「麺屋武蔵」で5年間の修業を経て独立。 力試しを決意し、裸一貫で見知らぬ激戦区に飛び込んだ。 決めていたのは1つだけ。“市場”をテーマにした地産地消のラーメンを作り上げることだった。 店探しのかたわら札幌中央卸売市場に通い詰め、地域色が濃い「魚のアラ」に着目。 廃棄も珍しくない魚の頭部を魚種を問わず引き受け、骨を焼く洋食(フォン)の炊き出し方を応用し、見事に豚骨スープと融合させた。 2006年8月、札幌中央卸売市場前の長屋の一角に出店。 圧倒的に味噌が強い札幌でも着実に常連客を獲得し、いまや日販約200杯、スープ売り切れ終了、夕方前に閉店の繁盛ぶりを見せている。 業界認識を覆したつけ麺の大ヒット 2006年8月に開業。 立地は札幌中央卸売市場の場外長屋の一角。カウンター13席、券売機注文の小規模店で、市場関係者の食事時間に合わせ午前9時に開店している。 客層は市場関係者と札幌市内の地元客が半々。ラーメン目当ての観光客は、まだ少ない。日販は約200食。 毎朝約80Lのスープを仕込み、スープ終了次第、閉店となるが、最近は午後4時前の閉店も珍しくなく、来店客から延長の要望もあり、限定日を設け、午後5時から第2部営業を試している。 あら炊き豚骨をベースとするラーメンは、醤油味、味噌味、つけ麺の3品。 当初は醤油味が看板の位置付けだったが、最近、つけ麺の人気に火がつき、現在の注文比率は、つけ麺6割、醤油味3割、味噌味1割。 「札幌でつけ麺は絶対に無理」と叫ばれてきた業界認識を覆し、業界関係者の関心を集めている。 2010年8月、2号店の「北大店」を開店。今年6月、タイ・バンコクに海外1号店を開店。 10月末、タイ2号店を出店予定。以降の出店計画は未定だが、人材育成を第一に、のれん分けの多店舗化を目指している。 あらとん つけ麺 醤油 700円 「札幌でつけ麺は絶対に無理」と叫ばれてきた業界認識を覆した逸品。麺食後、がらスープの追い足しで飲み干すのが定番。 その際、甘酢を少量加えてスープの味を劇的に変化させる。この演出が人気の決め手 乾物よりも丸みがあってなめらか あら焚き豚骨スープの原料は、豚骨と魚のアラ。スープ80L分の分量は、豚骨50kg、魚のアラ1kg。 豚骨は豚頭骨、げん骨、背骨を8時間以上炊き出す。魚のアラは、魚頭を主力に、魚種はサケ、タラ、キンキ、ホッケ、ソイなど季節によって変わる。 それらを180度Cのオーブンで1時間弱焼き上げ、豚骨スープと合わせ、さらに約3時間炊き上げる。 高山店主は「アラの焼き加減は8割程度。焼きすぎると香りが弱くなる」と明かし、「乾物(節)系を合わせて炊くと、香りと味に角が立ち、舌触りにザラつきが出るが、魚のアラだと、香りと味に丸みがあり、舌触りもなめらか」と説く。 あら焚き豚骨スープをベースに、醤油味、味噌味、つけ麺を展開。盛り付け分量は、醤油味と味噌味はスープ320mlに対し、たれ36ml、極太縮れ麺180g(生)、つけ麺はスープ200mlに対し、たれ30ml、極太縮れ麺360g(生)。仕上げに全品共通で豚背脂・香味油のブレンド40mlが加えられる。 魚のアラは、すべて札幌中央卸売市場の契約業者から調達。通年主力となる北海道名産のサケとタラをベースに旬魚を加えることベースに旬魚を加えることで、季節ごとに微妙な変化を演出している。 山田氏に共感~実務と心構えを学ぶ~ 高山秀男(たかやま・ひでお) 1975年千葉県松戸市生まれ。 辻調理師専門学校で洋食を中心に学び、卒業後、料理道を模索するため、業種を問わず飲食店を渡り歩く。24歳の時、知人から「麺屋武蔵」の山田雄氏を紹介され入店。当初は1年修業して退社するつもりだったが、山田氏の経営理念に強く共感し継続。 「武蔵出身というと、武蔵の味を勉強したと見られますが、実際は大違い。店舗管理や接客対応など、経営の実務と客商売の心構えをたたき込まれました」(高山店主)とし、5年間、現場修業を積む。 修業過程で「限られた一杯に精いっぱいの思いを込め、常にお客さまを第一に進化しなければならないこと」を悟り、山田氏から及第点を受け独立。 「決してラーメン好きではない。思いを伝える料理に最適なラーメンを選んだだけ」(高山店主)とし、日々研鑽に努めている。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!