カルビ麺850円

カルビ麺850円

牛ばら肉、もやし、長ねぎ、玉ねぎ、にんじん、しいたけ、にらを炒め、がらスープを加え、焼肉のたれ、唐辛子、黒こしょうで調味。溶き卵を回しかけ、中華麺を盛った器に注ぐ。白ごまをふれば完成


冷麺を食べて焼肉のたれに着目

日本のさまざまなラーメン文化は、労働者が支え、育んできたといっていいだろう。働く人が必要とする要素を兼ね備えたラーメンとして、東京では「タンメン」、神奈川では「サンマー麺」といったものが生まれ、定着してきた。実は、その二つに挟まれた京浜工業地帯には、40年以上地元で支持され続けてきた「カルビ麺」という第三極が存在する
カルビ麺は、甘辛い焼肉のたれに漬け込んだ牛ばら肉を、ボリューム満点の野菜とともに調味。焼肉のたれで味を調整し、黒こしょうと唐辛子で辛さを効かせたラーメンスープにそれらを盛り付けて完成する。甘さと辛さの絶妙なバランスが、この地域で働く労働者たちを長い間虜(とりこ)にしてきた。高度経済成長華やかなりし最盛期には、1日100杯以上を売上げてきた実力は相当のもの。現在でも1日に20〜30杯を売上げ、注文の3割はいまだに「カルビ麺」という人気ぶり。120種類以上という豊富なメニューの中で、3割が単一の注文で占められるというのは、まさに名物といっていい。

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労働者に育まれた甘辛スープ
牛ばら肉はあらかじめ焼肉のたれに漬けておく
 この、ありそうでなかった絶妙な組み合わせの料理が誕生したのは1963年の創業から数年後。創業者の佐々木優氏が、焼肉店の「カルビ冷麺」を食べて着想を得た。現在もこの味を守り続ける、娘で2代目の佐々木美和子氏は「塩味の牛骨スープが物足りず、卓上の焼肉のたれを加味したのがきっかけです」と語る。「それに、焼肉屋さんの冷麺ではなく、ラーメンとしてちゃんとした麺と合わせたらおいしいだろうと考えたのだと思います」とも語った。


最盛期は日販100杯以上、現在も注文比率3割のトップセールスを維持

最盛期は日販100杯以上、現在も注文比率3割のトップセールスを維持

「冷めにくく一度に5~6人前作れるので出前注文にも好適」と娘で2代目の佐々木美和子さん
 実際に、焼肉店では食べられそうで、食べられない独自のアレンジの仕方がこの料理にはある。きちんとラーメンとしても独立し、白飯を入れればカルビクッパにもなる。肉の旨味が染み出した焼肉のたれとラーメンスープがご飯と合わないわけはない。
労働者も地域から大幅に減り、家族連れが客層として増えた現在も1日に3割が頼み続けている。これはまさに、昔からの常連が今でもこれを食べ続けたいと思う中毒性がある証拠。労働者が育んできた知られざる逸品というものは、まだまだ各地に眠っているはずだ。


北京亭

北京亭

所在地=東京都大田区東糀谷1-19-12
営業時間=午前11時~午後2時、5時~10時、火曜定休
京浜急行・大鳥居駅から1㎞強の立地

adminご当地ラーメン徹底研究カルビ麺850円 牛ばら肉、もやし、長ねぎ、玉ねぎ、にんじん、しいたけ、にらを炒め、がらスープを加え、焼肉のたれ、唐辛子、黒こしょうで調味。溶き卵を回しかけ、中華麺を盛った器に注ぐ。白ごまをふれば完成 冷麺を食べて焼肉のたれに着目 日本のさまざまなラーメン文化は、労働者が支え、育んできたといっていいだろう。働く人が必要とする要素を兼ね備えたラーメンとして、東京では「タンメン」、神奈川では「サンマー麺」といったものが生まれ、定着してきた。実は、その二つに挟まれた京浜工業地帯には、40年以上地元で支持され続けてきた「カルビ麺」という第三極が存在する カルビ麺は、甘辛い焼肉のたれに漬け込んだ牛ばら肉を、ボリューム満点の野菜とともに調味。焼肉のたれで味を調整し、黒こしょうと唐辛子で辛さを効かせたラーメンスープにそれらを盛り付けて完成する。甘さと辛さの絶妙なバランスが、この地域で働く労働者たちを長い間虜(とりこ)にしてきた。高度経済成長華やかなりし最盛期には、1日100杯以上を売上げてきた実力は相当のもの。現在でも1日に20〜30杯を売上げ、注文の3割はいまだに「カルビ麺」という人気ぶり。120種類以上という豊富なメニューの中で、3割が単一の注文で占められるというのは、まさに名物といっていい。 労働者に育まれた甘辛スープ 牛ばら肉はあらかじめ焼肉のたれに漬けておく  この、ありそうでなかった絶妙な組み合わせの料理が誕生したのは1963年の創業から数年後。創業者の佐々木優氏が、焼肉店の「カルビ冷麺」を食べて着想を得た。現在もこの味を守り続ける、娘で2代目の佐々木美和子氏は「塩味の牛骨スープが物足りず、卓上の焼肉のたれを加味したのがきっかけです」と語る。「それに、焼肉屋さんの冷麺ではなく、ラーメンとしてちゃんとした麺と合わせたらおいしいだろうと考えたのだと思います」とも語った。 最盛期は日販100杯以上、現在も注文比率3割のトップセールスを維持 「冷めにくく一度に5~6人前作れるので出前注文にも好適」と娘で2代目の佐々木美和子さん  実際に、焼肉店では食べられそうで、食べられない独自のアレンジの仕方がこの料理にはある。きちんとラーメンとしても独立し、白飯を入れればカルビクッパにもなる。肉の旨味が染み出した焼肉のたれとラーメンスープがご飯と合わないわけはない。 労働者も地域から大幅に減り、家族連れが客層として増えた現在も1日に3割が頼み続けている。これはまさに、昔からの常連が今でもこれを食べ続けたいと思う中毒性がある証拠。労働者が育んできた知られざる逸品というものは、まだまだ各地に眠っているはずだ。 北京亭 所在地=東京都大田区東糀谷1-19-12 営業時間=午前11時~午後2時、5時~10時、火曜定休 京浜急行・大鳥居駅から1㎞強の立地あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!