函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺 700円

函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺 700円

函館ラーメンの代名詞
函館麺厨房 あじさい
北海道函館市五稜郭町29─22
あっさりしながら深みとコクのある透き通ったスープ。ストレート麺に豚ばらチャーシューのシンプルなトッピング。函館3店、札幌2店を展開する函館ラーメンの代名詞。


豚骨清湯の繊細な塩味

豚骨清湯の繊細な塩味

海道の三大都市、札幌、旭川、函館。いずれも日本を代表するラーメンどころである。札幌は味噌、旭川は濃厚醤油。そして函館のメーンは塩ラーメンだ。「ラーメン」と注文すると塩ラーメンが出されるほど、塩ラーメンの文化が根付いている。ご当地ラーメン数あれど、塩ラーメンを売り物にしているのは函館ラーメンだけだ。
透明度の高いスープに中細のストレート麺が泳ぐ。具もシンプルに、チャーシュー、メンマ、刻みネギといったクラシックなスタイルが函館ラーメンの特徴だ。ご当地ラーメンの中でも、あっさり派の最右翼である。
だしの取り方を見ると、鶏を使う店もあるが、豚骨を使う店が主流だ。スープは麺がなければ丼の底が見えるのではないかと思うほど澄んでいる。脂分も極めて少なく、さっぱりとしている。豚骨というと乳白色に濁ったスープが連想されるが、それは火加減による。強火でたき出せば骨の髄からゼラチンなどが溶け出し、スープは濁る。しかし、同じ豚骨を使っても弱火で沸騰させないようにすればスープは濁らない。かえって鶏よりも臭みは少なく、あっさりとしたスープが取れる。
函館のラーメンは後者の手法で、繊細な味わいを売りとする。そのため、香りの強い海産物のだしも使用しないことが多い。函館は昆布の産地として知られるが、昆布を使う店も少ない。その理由は、函館ラーメンが、中国の麺料理の流れをそのまま引き継いでいるからだと推測される。
1854年(安政元年)の開港を機に、欧米をはじめとする異国文化との交流が始まる。今も元町かいわいはエキゾチックな趣で、ハリストス教会、元町カトリック教会、聖ヨハネ教会など、異国情緒な建物が随所に見られる。中国文化もまたしかり。開港後、中国領事館ができ、中国料理店も街に見られるようになった。函館の老舗製麺店である岡田製麺では、大正時代から中華麺の製造を行っていたという。
中国の麺料理は、基本的にスープは塩味。醤油だれを使ったり、だしに昆布や鰹節などの海産物を加えることはしない。そして麺はストレートで、縮らせる習慣はない。つまり函館ラーメンは、中国から伝わった麺が、チャーシューやメンマをのせるという以外、日本式のスタイルをとらず、ほとんど変化しないままラーメンという呼び名に変わっていったものと考えられる。
函館にはラーメン専門店は非常に少なく、中華料理店が多い。屋号に「ラーメン」と掲げてる店でも、そのほとんどは中華料理のメニューがある。北海道では、函館だけでなく、海周りのエリアは、塩ラーメンを主力とするところが多い。札幌も戦前は塩ラーメンが主力であった。
表面にラードを加え、熱を冷めづらくした旭川ラーメン、野菜とスープを中華鍋で炒めて麺の上に注ぐ札幌ラーメンなどは、厳寒地の知恵が生んだ生活の知恵であり、戦後に生まれたものである。今や札幌ラーメンや旭川ラーメンは認知度の高いラーメンどころとなっているが、その形態のルーツは、函館塩ラーメンのようなスタイルであったのかもしれない。


新函館ラーメン マメさん マメさん塩ラーメン 730円

新函館ラーメン マメさん マメさん塩ラーメン 730円

老舗の懐かしく新しい
新函館ラーメン マメさん
北海道函館市末広町12─3
 函館ラーメンのパイオニア、岡田製麺が手掛ける“新函館ラーメン”。スープに焦がし背脂を浮かせて濃厚なコクを演出。日高産フノリを練り込んだコシのある麺も特徴。
スッキリと明解かつ軽快な味わい。白河では個性的と評される地元人気の有名店。


函館ラーメン事情

函館は全国で唯一「塩ラーメン」がメーンのご当地ラーメンだ。その函館で異変が起きている。まずは老舗の閉店だ。「汪さん」「松楽」「松らく」「紅蘭」など、函館ラーメンをけん引してきた老舗が相次いで閉店している。
その背景には、さまざまなことが考えられる。1996年「函館しお風味」という即席麺が発売され、函館ラーメンは脚光を浴びた。そして2001年「北海道遺産」に函館ラーメンが登録され、2002年には「函館ラーメンサミット」(2004年まで)が開催され、2005年にはテーマパーク「湯の川らーめんブギ」(2008年閉店)が開業するなど、函館は塩ラーメンの聖地として全国区になった。
一方、新興勢力の店も増えた。そして函館はシンプルな塩ラーメンだけでなく、こってりとした「豚骨ラーメン」や「味噌ラーメン」を出す店も増えた。しかしブームは一段落し、深刻な高齢化と若年層の流出もあり、ラーメンの需要と供給のバランスが崩れはじめた。
結果、新興勢力を含め老舗は次々と店をたたむこととなった。だが健闘している店も残っている。観光やブームに左右されず、地元に愛される店を増やすことが、函館ラーメンの課題だろう。

adminご当地ラーメン徹底研究函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺 700円 函館ラーメンの代名詞 函館麺厨房 あじさい 北海道函館市五稜郭町29─22 あっさりしながら深みとコクのある透き通ったスープ。ストレート麺に豚ばらチャーシューのシンプルなトッピング。函館3店、札幌2店を展開する函館ラーメンの代名詞。 豚骨清湯の繊細な塩味 海道の三大都市、札幌、旭川、函館。いずれも日本を代表するラーメンどころである。札幌は味噌、旭川は濃厚醤油。そして函館のメーンは塩ラーメンだ。「ラーメン」と注文すると塩ラーメンが出されるほど、塩ラーメンの文化が根付いている。ご当地ラーメン数あれど、塩ラーメンを売り物にしているのは函館ラーメンだけだ。 透明度の高いスープに中細のストレート麺が泳ぐ。具もシンプルに、チャーシュー、メンマ、刻みネギといったクラシックなスタイルが函館ラーメンの特徴だ。ご当地ラーメンの中でも、あっさり派の最右翼である。 だしの取り方を見ると、鶏を使う店もあるが、豚骨を使う店が主流だ。スープは麺がなければ丼の底が見えるのではないかと思うほど澄んでいる。脂分も極めて少なく、さっぱりとしている。豚骨というと乳白色に濁ったスープが連想されるが、それは火加減による。強火でたき出せば骨の髄からゼラチンなどが溶け出し、スープは濁る。しかし、同じ豚骨を使っても弱火で沸騰させないようにすればスープは濁らない。かえって鶏よりも臭みは少なく、あっさりとしたスープが取れる。 函館のラーメンは後者の手法で、繊細な味わいを売りとする。そのため、香りの強い海産物のだしも使用しないことが多い。函館は昆布の産地として知られるが、昆布を使う店も少ない。その理由は、函館ラーメンが、中国の麺料理の流れをそのまま引き継いでいるからだと推測される。 1854年(安政元年)の開港を機に、欧米をはじめとする異国文化との交流が始まる。今も元町かいわいはエキゾチックな趣で、ハリストス教会、元町カトリック教会、聖ヨハネ教会など、異国情緒な建物が随所に見られる。中国文化もまたしかり。開港後、中国領事館ができ、中国料理店も街に見られるようになった。函館の老舗製麺店である岡田製麺では、大正時代から中華麺の製造を行っていたという。 中国の麺料理は、基本的にスープは塩味。醤油だれを使ったり、だしに昆布や鰹節などの海産物を加えることはしない。そして麺はストレートで、縮らせる習慣はない。つまり函館ラーメンは、中国から伝わった麺が、チャーシューやメンマをのせるという以外、日本式のスタイルをとらず、ほとんど変化しないままラーメンという呼び名に変わっていったものと考えられる。 函館にはラーメン専門店は非常に少なく、中華料理店が多い。屋号に「ラーメン」と掲げてる店でも、そのほとんどは中華料理のメニューがある。北海道では、函館だけでなく、海周りのエリアは、塩ラーメンを主力とするところが多い。札幌も戦前は塩ラーメンが主力であった。 表面にラードを加え、熱を冷めづらくした旭川ラーメン、野菜とスープを中華鍋で炒めて麺の上に注ぐ札幌ラーメンなどは、厳寒地の知恵が生んだ生活の知恵であり、戦後に生まれたものである。今や札幌ラーメンや旭川ラーメンは認知度の高いラーメンどころとなっているが、その形態のルーツは、函館塩ラーメンのようなスタイルであったのかもしれない。 新函館ラーメン マメさん マメさん塩ラーメン 730円 老舗の懐かしく新しい 新函館ラーメン マメさん 北海道函館市末広町12─3  函館ラーメンのパイオニア、岡田製麺が手掛ける“新函館ラーメン”。スープに焦がし背脂を浮かせて濃厚なコクを演出。日高産フノリを練り込んだコシのある麺も特徴。 スッキリと明解かつ軽快な味わい。白河では個性的と評される地元人気の有名店。 函館ラーメン事情 函館は全国で唯一「塩ラーメン」がメーンのご当地ラーメンだ。その函館で異変が起きている。まずは老舗の閉店だ。「汪さん」「松楽」「松らく」「紅蘭」など、函館ラーメンをけん引してきた老舗が相次いで閉店している。 その背景には、さまざまなことが考えられる。1996年「函館しお風味」という即席麺が発売され、函館ラーメンは脚光を浴びた。そして2001年「北海道遺産」に函館ラーメンが登録され、2002年には「函館ラーメンサミット」(2004年まで)が開催され、2005年にはテーマパーク「湯の川らーめんブギ」(2008年閉店)が開業するなど、函館は塩ラーメンの聖地として全国区になった。 一方、新興勢力の店も増えた。そして函館はシンプルな塩ラーメンだけでなく、こってりとした「豚骨ラーメン」や「味噌ラーメン」を出す店も増えた。しかしブームは一段落し、深刻な高齢化と若年層の流出もあり、ラーメンの需要と供給のバランスが崩れはじめた。 結果、新興勢力を含め老舗は次々と店をたたむこととなった。だが健闘している店も残っている。観光やブームに左右されず、地元に愛される店を増やすことが、函館ラーメンの課題だろう。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!