新福菜館本店 中華そば(並) 650円 真っ黒でもアッサリ

新福菜館本店 中華そば(並) 650円 真っ黒でもアッサリ

新福菜館本店
京都市下京区東塩小路向畑町569番地

真っ黒な醤油色のスープにもかかわらず、醤油辛さはマイルドで、あっさりと完食できる。たっぷりのチャーシュー、九条ネギとの食べ合わせのバランスも絶妙。


京都ラーメン事情 新興勢力が台頭しネクストブランドも活発化

京風ラーメンというと発祥の「新福菜館」をはじめ、「ますたに」「第一旭」「天下一品」「横綱」「天天有」など、全国的に知名度の高いラーメン店が多く、長らく地元、観光客から親しまれている。これらの人気は根強いが、この10年、新興勢力の台頭も目覚ましい。一つは京風のスタイルを踏襲しつつ個性が加わった「高安」「東龍」など。もう一つは首都圏で人気のスタイルをベースとした「高倉二条」や「ラーメン荘 夢を語れ」など。さらにネクストブランドを展開する店が増えている。例を挙げると「高倉二条→つけ麺やろぉじ」「和醸良麺すがり」「東龍→一神堂、福仙楼」などである。
また、激戦区も特徴の一つ。東京以外でこれほど激戦区が過熱しているのも珍しい。激戦区といえば一条寺。同地区は繁盛店が多く集中しており学生も多く、高田馬場に似た感じ。四条烏丸や四条河原町も激戦区だ。
京都ブランドで多店舗化している事例も多い。「ますたに」「京都あかさたな」をはじめ、「横綱」「よってこや」、そして最近勢いを増しているのが「魁力屋」「来来亭」である。


天下一品 こってりラーメン(並) 680円 学生たちから強い支持を受け定着

天下一品 こってりラーメン(並) 680円 学生たちから強い支持を受け定着

天下一品
本店所在地=京都市左京区一乗寺築田町94番地
長時間かけて煮込んだ白湯スープは、粘性が強く、〝こってり〟と評されるが、脂っぽさはそれほど感じない。個性の強いマイルド感が根強く支持されている。


全国屈指の濃厚派 シチューのような舌触り

全国屈指の濃厚派 シチューのような舌触り

1976年、京都四条河原町の阪急デパートに、女性客をターゲットとした新しいコンセプトのラーメン店「京都あかさたな」がオープンした。さらりと軽い薄味のラーメンに、甘味などをセットで注文するというスタイルで、店内も京風で清潔にした。懐石料理などから想像される、京都は薄口というイメージにピッタリの演出であった。79年からFC展開し、新宿野村ビル49階にも出店した。これを契機に「京風ラーメン」は大ブームを巻き起こし、女性にラーメンを食べさせるという、大きな功績を残した。
しかし、この京風ラーメンは京都においては少数派。京都のラーメンは全国でも屈指の濃厚さを誇り、濃口が売りである。特に一条寺などは学生も多く、ラーメン店の数も多い。
東京の環七界隈をイメージするようなこってりラーメンの激戦区である。そして同じこってりでも京都の味は、今流行の豚骨スープとはひと味違う。鶏を主体としたこってり味である。
スープの取り方にもよるし、舌の感じ方にもよるが、元来豚よりも鶏のスープの方がこってり度は高い。鶏を使ったこってり味。残念ながらストレートの麺には京都独自の色合いはないが、鶏こってりのスープには、明らかに京都にしかない独自のラーメン文化の香りが漂っている。ラーメンに限っていえば、京都は決して薄くないのである。
1938年、京都駅付近に一台の屋台が出現し、うどんでもそばでもない麺類を売り始めた。屋台を引いていたのは中国浙近省出身の徐永俤(ジョ・エイテイ)氏。これが京都のラーメンの草分けである。44年には京都駅東の塩小路高倉に店舗を構え、「新福菜館」と命名。濃口醤油を使ったスープに、薄切りのチャーシューをふんだんにのせるといった独特のラーメンを出して人気を呼んだ。
徐氏には日本各地に中国人の仲間がおり、濃口醤油を使ったのは東京在住の知人から情報を仕入れたか、薄味の関西うどんに対抗して差別化を狙ったかのいずれかと推測される。この味が反響を呼び、京都ラーメンの基本系となった。
新福菜館の濃口醤油の流れに続き、「珍遊」や「ますたに」など、鶏がらベースの醤油味に、豚の背脂をのせた濃厚な味が出現した。豚骨スープに似た濁ったスープだが、鶏をベースにしているところが豚骨とは明らかに風味が違う。
さらに鶏をゼラチンが溶け出すまでたき出した「天下一品」に代表される超濃厚なスープのラーメンは、京都で大ブームを呼び、全国に進出している。脂がスープと乳化してドロリとしており、シチューのような舌ざわりは、新たなラーメンの分野を築いた。
このように大きく分けると現在京都ラーメンは3つの流れに分けられる。しかし、いずれもその味は濃口であり、濃厚である。「京都は決して薄くない」。ラーメンに限ってはこれが京都のキーワードといえるであろう。「京都ラーメン」といっても聞きなれないが、「大阪ラーメン」と呼べるものを持たない関西地区にあって、ひとつの確立したラーメン文化を持ったエリアである。
原文:ラーメン総合研究所 代表 武内伸
監修:新横浜ラーメン博物館 中野正博

adminご当地ラーメン徹底研究新福菜館本店 中華そば(並) 650円 真っ黒でもアッサリ 新福菜館本店 京都市下京区東塩小路向畑町569番地 真っ黒な醤油色のスープにもかかわらず、醤油辛さはマイルドで、あっさりと完食できる。たっぷりのチャーシュー、九条ネギとの食べ合わせのバランスも絶妙。 京都ラーメン事情 新興勢力が台頭しネクストブランドも活発化 京風ラーメンというと発祥の「新福菜館」をはじめ、「ますたに」「第一旭」「天下一品」「横綱」「天天有」など、全国的に知名度の高いラーメン店が多く、長らく地元、観光客から親しまれている。これらの人気は根強いが、この10年、新興勢力の台頭も目覚ましい。一つは京風のスタイルを踏襲しつつ個性が加わった「高安」「東龍」など。もう一つは首都圏で人気のスタイルをベースとした「高倉二条」や「ラーメン荘 夢を語れ」など。さらにネクストブランドを展開する店が増えている。例を挙げると「高倉二条→つけ麺やろぉじ」「和醸良麺すがり」「東龍→一神堂、福仙楼」などである。 また、激戦区も特徴の一つ。東京以外でこれほど激戦区が過熱しているのも珍しい。激戦区といえば一条寺。同地区は繁盛店が多く集中しており学生も多く、高田馬場に似た感じ。四条烏丸や四条河原町も激戦区だ。 京都ブランドで多店舗化している事例も多い。「ますたに」「京都あかさたな」をはじめ、「横綱」「よってこや」、そして最近勢いを増しているのが「魁力屋」「来来亭」である。 天下一品 こってりラーメン(並) 680円 学生たちから強い支持を受け定着 天下一品 本店所在地=京都市左京区一乗寺築田町94番地 長時間かけて煮込んだ白湯スープは、粘性が強く、〝こってり〟と評されるが、脂っぽさはそれほど感じない。個性の強いマイルド感が根強く支持されている。 全国屈指の濃厚派 シチューのような舌触り 1976年、京都四条河原町の阪急デパートに、女性客をターゲットとした新しいコンセプトのラーメン店「京都あかさたな」がオープンした。さらりと軽い薄味のラーメンに、甘味などをセットで注文するというスタイルで、店内も京風で清潔にした。懐石料理などから想像される、京都は薄口というイメージにピッタリの演出であった。79年からFC展開し、新宿野村ビル49階にも出店した。これを契機に「京風ラーメン」は大ブームを巻き起こし、女性にラーメンを食べさせるという、大きな功績を残した。 しかし、この京風ラーメンは京都においては少数派。京都のラーメンは全国でも屈指の濃厚さを誇り、濃口が売りである。特に一条寺などは学生も多く、ラーメン店の数も多い。 東京の環七界隈をイメージするようなこってりラーメンの激戦区である。そして同じこってりでも京都の味は、今流行の豚骨スープとはひと味違う。鶏を主体としたこってり味である。 スープの取り方にもよるし、舌の感じ方にもよるが、元来豚よりも鶏のスープの方がこってり度は高い。鶏を使ったこってり味。残念ながらストレートの麺には京都独自の色合いはないが、鶏こってりのスープには、明らかに京都にしかない独自のラーメン文化の香りが漂っている。ラーメンに限っていえば、京都は決して薄くないのである。 1938年、京都駅付近に一台の屋台が出現し、うどんでもそばでもない麺類を売り始めた。屋台を引いていたのは中国浙近省出身の徐永俤(ジョ・エイテイ)氏。これが京都のラーメンの草分けである。44年には京都駅東の塩小路高倉に店舗を構え、「新福菜館」と命名。濃口醤油を使ったスープに、薄切りのチャーシューをふんだんにのせるといった独特のラーメンを出して人気を呼んだ。 徐氏には日本各地に中国人の仲間がおり、濃口醤油を使ったのは東京在住の知人から情報を仕入れたか、薄味の関西うどんに対抗して差別化を狙ったかのいずれかと推測される。この味が反響を呼び、京都ラーメンの基本系となった。 新福菜館の濃口醤油の流れに続き、「珍遊」や「ますたに」など、鶏がらベースの醤油味に、豚の背脂をのせた濃厚な味が出現した。豚骨スープに似た濁ったスープだが、鶏をベースにしているところが豚骨とは明らかに風味が違う。 さらに鶏をゼラチンが溶け出すまでたき出した「天下一品」に代表される超濃厚なスープのラーメンは、京都で大ブームを呼び、全国に進出している。脂がスープと乳化してドロリとしており、シチューのような舌ざわりは、新たなラーメンの分野を築いた。 このように大きく分けると現在京都ラーメンは3つの流れに分けられる。しかし、いずれもその味は濃口であり、濃厚である。「京都は決して薄くない」。ラーメンに限ってはこれが京都のキーワードといえるであろう。「京都ラーメン」といっても聞きなれないが、「大阪ラーメン」と呼べるものを持たない関西地区にあって、ひとつの確立したラーメン文化を持ったエリアである。 原文:ラーメン総合研究所 代表 武内伸 監修:新横浜ラーメン博物館 中野正博あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!