スープとチーズの繊細なマリアージュ

cTZTHfGb_VL013_r01黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン


らぁ麺フロマージュ
980円(税込み)
麺は150gで、大盛りは2玉分の300gで提供。チーズはディッシャー2杯分で80g。その他の具材はチーズとの相性の良い九条ネギのみ。麺を食べ終えた後は、発芽玄米が提供されてリゾットとして楽しめる

東京・市ヶ谷の「ドゥエ・イタリアン」は、2015年の「ミシュランガイド東京」にも掲載されるほどの実力店。看板メニューの「らぁ麺フロマージュ」は、多い日で200食を売る人気ぶり。イタリアンとラーメンが融合した、女性客比率8割という同店の商品開発力は、新たなラーメンシーンを切り開く可能性に満ちている。

イタリア料理とラーメンの供宴

KcUVQq1A女性客8割と圧倒的な支持

丼一杯のフルコース
最初は汁なしのあえ麺で試作してみたものの「ラーメンとしてのアイデンティティーを感じない」と断念。しばらくしてチーズフォンデュをヒントに、チーズに麺を絡めて食べるスタイルを考案したことで完成した。
チーズはチェダーチーズをベースにゴルゴンゾーラを配合して、クリーム状に仕上げたもの。初めはチーズを麺に絡めて濃厚な味わいを楽しむ。麺はチーズとのマリアージュを高めるため、北海道産「春よ恋」を使用し小麦の香りを強調。麺の太さは、ラーメンが20番手ストレート麺で、つけ麺では14番手の極太麺を採用している。
そして後半。チーズがスープに溶け込んでくると、今度はスープのうま味が存在感を現す。ミルキーで上品なコクと風味を堪能できる。「商品開発では、丼一杯のフルコースとして、食べ進むうちに異なる味が楽しめるよう心がけている」と石塚シェフ。この味わいの変化こそが、同品の真骨頂で、開発時に最も苦労したことは、チーズが溶ける速度を考慮した冷蔵温度だったという。

独創的なラーメンを支える確かなベーススープ
スープは鶏がらベースの清湯で、その味は繊細の一言に尽きる。名古屋コーチンを主材料に、実に37もの素材を使い、スッキリとしていながら重層的なうま味を表現。野菜は一切使わずに、動物系と魚介系のみでスープをとっている点も大きな特徴。「究極の清湯スープを作ることが、ラーメン屋としての神髄」と石塚シェフ。独創的なラーメンばかりにスポットが当てられるが、ベースとなるスープが確かだからこそオリジナリティーが発揮できるのだ。


hx1nSbg3黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン
所在地=東京都千代田区九段南4-5-11 富士ビル1F
開業=2009年3月30日
営業時間=午前11時~午後4時、5時〜10時(土曜、午前11時~午後10時、日曜・祝日、午前11時~午後9時) 無休
坪数・席数=14坪・13席
1日平均客数=約250人
平均客単価=950円


ラーメンの隠し味に使用

ジュゼッペ・ジュスティ
輸入者=稲垣商店(東京都渋谷区鉢山町)
規格=250㎖(常温)
 「イタリア料理シェフのころから使い続けている。煮詰めるだけで自然な甘さとコクを表現できる」と石塚シェフ。醤油ラーメンの隠し味や、ラーメンフロマージュのコク出しにも使用している。バルサミコ酢の本場、北イタリアのモデナ州産の12年もの。原材料は白ワイン用のブドウであるトレッビアーノ種100%で、酸度は6%。

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驚きの〝泡〟+〝泡〟のスープ

ふく流らーめん轍(わだち)

味玉ふく流らーめん
850円(税込み)
トッピングは、レアチャーシュー2枚、味玉、白ネギ、水菜。麺量130g。※味玉抜きは100円引き

ランチタイムに入るとすぐに行列ができる、大阪・本町にある「ふく流らーめん轍(わだち)」。〝泡〞をラーメンに取り入れた、ユニークな姿とおいしさで、近隣のビジネスマンを中心に利用客を伸ばしている。開店1年にして人気店に成長した、その秘密を取材した。

ユズ風味で濃厚さとあっさり感が融合

食の安全にもこだわり提供

年配者にも食べてもらえるラーメン
〝泡のラーメン〞とは、客の6割がオーダーする「味玉ふく流らーめん」(850円)のこと。「若者だけではなく、年配者にも食べてもらえるラーメンを目指した」という、クリーミーな濃厚さとあっさり感が融合した看板メニューである。
同メニューでまず驚かされるのが、カプチーノのような形状。スープは、全体に泡立った白色で、さらにユズ風味のエスプーマがのってくる。食べ始めると、スープとユズの風味が徐々に出合い、さっぱりとした味わいへと変化していく。スープの下には、中細のストレート麺が潜み、食べ進むうちにスープは茶色に変わっていくが、最後まで飽きずに楽しめる。

圧力寸胴で煮出した乳化スープをさらにミキシング
スープの製造には圧力寸胴を導入し、大量の鶏がらと少量の豚骨を130度の高温で煮出して乳化スープを作る。オーダーごとに、このスープに醤油を合わせ、ハンドブレンダーでしっかりとミキシングしてもう一度泡立たせれば、スープの完成である。さらに、ユズの泡をトッピング感覚でプラスする発想が、ほかにはない風味のラーメンへと導いている。
また、同店では、低温調理でしっとりと仕上げる、自家製のレアチャーシューも好評で、「レアチャーシュー丼」(350円、ランチセットは250円)にもエスプーマを活用。たれを泡状にしてかけることで、液体のたれとは一味違う楽しみ方を提案している。
同店では、化学調味料や中国産食材は使用しないのがモットー。安心感ある食の提供で、ラーメンに持たれがちなジャンクフードのイメージを覆していきたいという。


cKvEoJhl_VL073_r01ふく流らーめん轍(わだち)
所在地=大阪府大阪市西区西本町1-8-2 三晃ビル旧館102
開業=2014年3月
営業時間=午前11時~午後2時30分(LO)、6時~9時30分(同)。月末最終日のみディナータイム休み
席数=カウンター11席
1日平均客数=約160人
平均客単価=900円

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風味ある泡のベース

span style=”font-size: 140%;”>ゆず果汁100%
大徳(大阪府守口市)
規格=1.8ℓ

 「味玉ふく流らーめん」のアクセントになるユズエスプーマで使用するのが、徳島県産のユズから抽出した「ゆず果汁100%」。同商品に魚介スープなどを合わせて調味し、エスプーマ専用機器で泡状にして盛り付ける。風味のポイントとして、開業時から愛用する商品である。

adminコラムスープとチーズの繊細なマリアージュ 黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン らぁ麺フロマージュ 980円(税込み) 麺は150gで、大盛りは2玉分の300gで提供。チーズはディッシャー2杯分で80g。その他の具材はチーズとの相性の良い九条ネギのみ。麺を食べ終えた後は、発芽玄米が提供されてリゾットとして楽しめる 東京・市ヶ谷の「ドゥエ・イタリアン」は、2015年の「ミシュランガイド東京」にも掲載されるほどの実力店。看板メニューの「らぁ麺フロマージュ」は、多い日で200食を売る人気ぶり。イタリアンとラーメンが融合した、女性客比率8割という同店の商品開発力は、新たなラーメンシーンを切り開く可能性に満ちている。 イタリア料理とラーメンの供宴 女性客8割と圧倒的な支持 丼一杯のフルコース 最初は汁なしのあえ麺で試作してみたものの「ラーメンとしてのアイデンティティーを感じない」と断念。しばらくしてチーズフォンデュをヒントに、チーズに麺を絡めて食べるスタイルを考案したことで完成した。 チーズはチェダーチーズをベースにゴルゴンゾーラを配合して、クリーム状に仕上げたもの。初めはチーズを麺に絡めて濃厚な味わいを楽しむ。麺はチーズとのマリアージュを高めるため、北海道産「春よ恋」を使用し小麦の香りを強調。麺の太さは、ラーメンが20番手ストレート麺で、つけ麺では14番手の極太麺を採用している。 そして後半。チーズがスープに溶け込んでくると、今度はスープのうま味が存在感を現す。ミルキーで上品なコクと風味を堪能できる。「商品開発では、丼一杯のフルコースとして、食べ進むうちに異なる味が楽しめるよう心がけている」と石塚シェフ。この味わいの変化こそが、同品の真骨頂で、開発時に最も苦労したことは、チーズが溶ける速度を考慮した冷蔵温度だったという。 独創的なラーメンを支える確かなベーススープ スープは鶏がらベースの清湯で、その味は繊細の一言に尽きる。名古屋コーチンを主材料に、実に37もの素材を使い、スッキリとしていながら重層的なうま味を表現。野菜は一切使わずに、動物系と魚介系のみでスープをとっている点も大きな特徴。「究極の清湯スープを作ることが、ラーメン屋としての神髄」と石塚シェフ。独創的なラーメンばかりにスポットが当てられるが、ベースとなるスープが確かだからこそオリジナリティーが発揮できるのだ。 黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン 所在地=東京都千代田区九段南4-5-11 富士ビル1F 開業=2009年3月30日 営業時間=午前11時~午後4時、5時〜10時(土曜、午前11時~午後10時、日曜・祝日、午前11時~午後9時) 無休 坪数・席数=14坪・13席 1日平均客数=約250人 平均客単価=950円 ラーメンの隠し味に使用 ジュゼッペ・ジュスティ 輸入者=稲垣商店(東京都渋谷区鉢山町) 規格=250㎖(常温)  「イタリア料理シェフのころから使い続けている。煮詰めるだけで自然な甘さとコクを表現できる」と石塚シェフ。醤油ラーメンの隠し味や、ラーメンフロマージュのコク出しにも使用している。バルサミコ酢の本場、北イタリアのモデナ州産の12年もの。原材料は白ワイン用のブドウであるトレッビアーノ種100%で、酸度は6%。 驚きの〝泡〟+〝泡〟のスープ ふく流らーめん轍(わだち) 味玉ふく流らーめん 850円(税込み) トッピングは、レアチャーシュー2枚、味玉、白ネギ、水菜。麺量130g。※味玉抜きは100円引き ランチタイムに入るとすぐに行列ができる、大阪・本町にある「ふく流らーめん轍(わだち)」。〝泡〞をラーメンに取り入れた、ユニークな姿とおいしさで、近隣のビジネスマンを中心に利用客を伸ばしている。開店1年にして人気店に成長した、その秘密を取材した。 ユズ風味で濃厚さとあっさり感が融合 食の安全にもこだわり提供 年配者にも食べてもらえるラーメン 〝泡のラーメン〞とは、客の6割がオーダーする「味玉ふく流らーめん」(850円)のこと。「若者だけではなく、年配者にも食べてもらえるラーメンを目指した」という、クリーミーな濃厚さとあっさり感が融合した看板メニューである。 同メニューでまず驚かされるのが、カプチーノのような形状。スープは、全体に泡立った白色で、さらにユズ風味のエスプーマがのってくる。食べ始めると、スープとユズの風味が徐々に出合い、さっぱりとした味わいへと変化していく。スープの下には、中細のストレート麺が潜み、食べ進むうちにスープは茶色に変わっていくが、最後まで飽きずに楽しめる。 圧力寸胴で煮出した乳化スープをさらにミキシング スープの製造には圧力寸胴を導入し、大量の鶏がらと少量の豚骨を130度の高温で煮出して乳化スープを作る。オーダーごとに、このスープに醤油を合わせ、ハンドブレンダーでしっかりとミキシングしてもう一度泡立たせれば、スープの完成である。さらに、ユズの泡をトッピング感覚でプラスする発想が、ほかにはない風味のラーメンへと導いている。 また、同店では、低温調理でしっとりと仕上げる、自家製のレアチャーシューも好評で、「レアチャーシュー丼」(350円、ランチセットは250円)にもエスプーマを活用。たれを泡状にしてかけることで、液体のたれとは一味違う楽しみ方を提案している。 同店では、化学調味料や中国産食材は使用しないのがモットー。安心感ある食の提供で、ラーメンに持たれがちなジャンクフードのイメージを覆していきたいという。 ふく流らーめん轍(わだち) 所在地=大阪府大阪市西区西本町1-8-2 三晃ビル旧館102 開業=2014年3月 営業時間=午前11時~午後2時30分(LO)、6時~9時30分(同)。月末最終日のみディナータイム休み 席数=カウンター11席 1日平均客数=約160人 平均客単価=900円 風味ある泡のベース span style='font-size: 140%;'>ゆず果汁100% 大徳(大阪府守口市) 規格=1.8ℓ  「味玉ふく流らーめん」のアクセントになるユズエスプーマで使用するのが、徳島県産のユズから抽出した「ゆず果汁100%」。同商品に魚介スープなどを合わせて調味し、エスプーマ専用機器で泡状にして盛り付ける。風味のポイントとして、開業時から愛用する商品である。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!