『餃子の研究』

 ある年代以上の人々にとって、ラーメンといえば付き物なのはギョウザだ。そこで今回は、だいぶ以前に古書店で購入した、今からちょうど30年前に出版されたギョウザの料理書をご紹介したい。本書は、カラー写真がふんだんに掲載された文庫サイズのムック本。著者は満州国政府で参事官を務めるなど中国大陸で18年間も暮らしたという中国料理研究家であり、本書の出版時には日本で中国料理学校の教務長として働いていたという。ちなみに、この学校は「恵比寿中国料理学院」といい、あの陳建民氏が学院長に就任していたという伝説的な料理学校だ。
実は、本書に掲載されている写真の料理を調理したのも、陳建民氏をはじめとする学院の先生たちである。そういわれると、数多くの古めかしいギョウザの写真も、何やら骨董品店で年代物の焼き物を鑑定するときのような気分で眺めることができる。

あの陳建民氏が料理写真の料理をつくったという今から30年前の料理本

 本書に掲載されたギョウザの写真を見てまず感じるのは、こんなにもいろいろな種類のギョウザがあるのか、という単純な驚きだ。現在でも定番のものに加えて、赤や緑、黄色などさまざまな色合いの皮に包まれたギョウザ、両目の部分にグリンピースやイクラが使われている金魚のかたちのギョウザ、透明感が美しい蘭の花や牡丹の花を模したギョウザなど、おそらく現在の中国料理店ではほとんど目にすることができないものだろう。しかも、それぞれのレシピはすべて少しずつ異なった材料の配合になっている。決して見かけだけのウケを狙った料理ではないのだ。そのままメニューに使えるかどうかは微妙だが、思いがけないインスピレーションが得られる可能性を秘めた料理書なのだ。

gjbWjxAR顧 中正 編
中央公論社 発行(中公ミニムックス)文庫
110ページ480円(当時)
1984年1月 刊行

adminコラム『餃子の研究』  ある年代以上の人々にとって、ラーメンといえば付き物なのはギョウザだ。そこで今回は、だいぶ以前に古書店で購入した、今からちょうど30年前に出版されたギョウザの料理書をご紹介したい。本書は、カラー写真がふんだんに掲載された文庫サイズのムック本。著者は満州国政府で参事官を務めるなど中国大陸で18年間も暮らしたという中国料理研究家であり、本書の出版時には日本で中国料理学校の教務長として働いていたという。ちなみに、この学校は「恵比寿中国料理学院」といい、あの陳建民氏が学院長に就任していたという伝説的な料理学校だ。 実は、本書に掲載されている写真の料理を調理したのも、陳建民氏をはじめとする学院の先生たちである。そういわれると、数多くの古めかしいギョウザの写真も、何やら骨董品店で年代物の焼き物を鑑定するときのような気分で眺めることができる。 あの陳建民氏が料理写真の料理をつくったという今から30年前の料理本  本書に掲載されたギョウザの写真を見てまず感じるのは、こんなにもいろいろな種類のギョウザがあるのか、という単純な驚きだ。現在でも定番のものに加えて、赤や緑、黄色などさまざまな色合いの皮に包まれたギョウザ、両目の部分にグリンピースやイクラが使われている金魚のかたちのギョウザ、透明感が美しい蘭の花や牡丹の花を模したギョウザなど、おそらく現在の中国料理店ではほとんど目にすることができないものだろう。しかも、それぞれのレシピはすべて少しずつ異なった材料の配合になっている。決して見かけだけのウケを狙った料理ではないのだ。そのままメニューに使えるかどうかは微妙だが、思いがけないインスピレーションが得られる可能性を秘めた料理書なのだ。 顧 中正 編 中央公論社 発行(中公ミニムックス)文庫 110ページ480円(当時) 1984年1月 刊行あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!