EU発足後に食文化が開花

「ロンドンにはおいしいものがない!」というのは昔の話。EU発足後、ヨーロッパ大陸の交通量が増えたことが、ロンドンの食文化を大きく変えたといわれている。
そんなロンドンは今、日本食ブームが起こっている。JETRO LONDONによるとロンドンには約600店の日本食料理店が存在する。その背景には大衆日本料理ブームがある。これまでは客単価1万5000円前後の高価格帯の和食や寿司店が日本料理の代表だったが、ここ数年で、ラーメン、日本式カレー店、回転寿司など、客単価1000~3000円程度の大衆日本料理店がブームとなっており、その市場が飛躍的に広がっている。
ロンドンのラーメン店を大きく分けると「現地人経営のラーメン店」「現地日本人経営のラーメン店」「ラーメンも出す和食店」の3つに分類できる。
現地人経営のラーメン店として最も古いのが1992年開業の「Wagamama」。現在、イギリス国内に50店以上、海外に15店以上を有する最大手である。イギリスに“ramen”という言葉を普及させたのはWagamamaの功績が大きい。日本のラーメンとは異なる味わいで、イギリス人の口に合う味わいとして成功を収めた。
2011年開業の「ボーンダディーズ(Bone Daddies Ramen Bar)」は今、最も話題になっているラーメン店の一つ。オーナーは、高級和食店「NOBU」や「ZUMA」などのヘッドシェフを経験した人で、日本でラーメンと出合い「ラーメンには完成形がない」という魅力にひかれ「ボーンダディーズ」を開業した。日本の味を再現するのではなく、自分のオリジナリティーを取り入れたラーメンを作り、現在1日500人を集客する人気ぶりだ。
続いて現地日本人経営のラーメン店。2012年3月開業の「ITTENBARI×龍旗信」は、現地日本人オーナーと、大阪の人気店「龍旗信」がコラボした店。ムール貝を使ったラーメンが評判を呼んでいる。そして2012年11月開業の「昇竜 Shoryu」は、1980年からイギリスで日本食料品店やレストランを運営しているジャパンセンターグループが満を持してオープンしたラーメン店。博多出身のシェフが作る本格的豚骨ラーメンという触れ込み通り、豚骨ラーメンをメーンとする店。店内は和と洋がモダンに演出された内装で若年層の客で賑わっている。
最後にラーメンも出す和食店。「専門店でないのにおいしいのか?」と思う人も多いだろうが、いずれの店もクオリティーが高く、ラーメンを目的に来店する客も多い。2006年開業の「Cocoro」は当初、ラーメンの認知度は低かったものの、熊本出身のオーナーが「本場の味をイギリス人に食べさせたい」との思いで看板メニューに育て上げた。2013年にはラーメン専門店もオープンした。同じく2006年開業の「Nagomi」もラーメンが人気。そして2013年開業の「KIRAZU」は、若くして国内外の数々の和食料理長を経験した料理人が店主。メーンは「ジャパニーズタパス(おばんざい)」で、ラーメンは締めの料理の位置付けだが、クオリティーは非常に高い。和食出身がゆえにだしのひき方が絶妙で、予約が取れない繁盛店となっている。
ロンドンは豚骨ラーメンが人気で、特にニンニク油を使ったラーメンが地元で支持されている。平均価格も11£(2000円弱)と日本に比べ高い設定だ。現地人が経営するラーメン店が多いというのもヨーロッパ他国と比べて特徴的。今後さらにラーメン店は増えると予想される。

著者:新横浜ラーメン博物館 中野 正博


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Shoryu にんにく油を使った ドラキュララーメン(9.9£)

平均価格は11£(2,000円弱)
繁華街「ピカデリーサーカス」に店舗を構える


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KIRAZU 塩ラーメン(9.5£)

客単価1,000〜3,000円の大衆和食がブーム



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ボーンダディーズとんこつラーメン(11£)

1日500人前後のお客さんが訪れる人気店

adminコラムEU発足後に食文化が開花 「ロンドンにはおいしいものがない!」というのは昔の話。EU発足後、ヨーロッパ大陸の交通量が増えたことが、ロンドンの食文化を大きく変えたといわれている。 そんなロンドンは今、日本食ブームが起こっている。JETRO LONDONによるとロンドンには約600店の日本食料理店が存在する。その背景には大衆日本料理ブームがある。これまでは客単価1万5000円前後の高価格帯の和食や寿司店が日本料理の代表だったが、ここ数年で、ラーメン、日本式カレー店、回転寿司など、客単価1000~3000円程度の大衆日本料理店がブームとなっており、その市場が飛躍的に広がっている。 ロンドンのラーメン店を大きく分けると「現地人経営のラーメン店」「現地日本人経営のラーメン店」「ラーメンも出す和食店」の3つに分類できる。 現地人経営のラーメン店として最も古いのが1992年開業の「Wagamama」。現在、イギリス国内に50店以上、海外に15店以上を有する最大手である。イギリスに“ramen”という言葉を普及させたのはWagamamaの功績が大きい。日本のラーメンとは異なる味わいで、イギリス人の口に合う味わいとして成功を収めた。 2011年開業の「ボーンダディーズ(Bone Daddies Ramen Bar)」は今、最も話題になっているラーメン店の一つ。オーナーは、高級和食店「NOBU」や「ZUMA」などのヘッドシェフを経験した人で、日本でラーメンと出合い「ラーメンには完成形がない」という魅力にひかれ「ボーンダディーズ」を開業した。日本の味を再現するのではなく、自分のオリジナリティーを取り入れたラーメンを作り、現在1日500人を集客する人気ぶりだ。 続いて現地日本人経営のラーメン店。2012年3月開業の「ITTENBARI×龍旗信」は、現地日本人オーナーと、大阪の人気店「龍旗信」がコラボした店。ムール貝を使ったラーメンが評判を呼んでいる。そして2012年11月開業の「昇竜 Shoryu」は、1980年からイギリスで日本食料品店やレストランを運営しているジャパンセンターグループが満を持してオープンしたラーメン店。博多出身のシェフが作る本格的豚骨ラーメンという触れ込み通り、豚骨ラーメンをメーンとする店。店内は和と洋がモダンに演出された内装で若年層の客で賑わっている。 最後にラーメンも出す和食店。「専門店でないのにおいしいのか?」と思う人も多いだろうが、いずれの店もクオリティーが高く、ラーメンを目的に来店する客も多い。2006年開業の「Cocoro」は当初、ラーメンの認知度は低かったものの、熊本出身のオーナーが「本場の味をイギリス人に食べさせたい」との思いで看板メニューに育て上げた。2013年にはラーメン専門店もオープンした。同じく2006年開業の「Nagomi」もラーメンが人気。そして2013年開業の「KIRAZU」は、若くして国内外の数々の和食料理長を経験した料理人が店主。メーンは「ジャパニーズタパス(おばんざい)」で、ラーメンは締めの料理の位置付けだが、クオリティーは非常に高い。和食出身がゆえにだしのひき方が絶妙で、予約が取れない繁盛店となっている。 ロンドンは豚骨ラーメンが人気で、特にニンニク油を使ったラーメンが地元で支持されている。平均価格も11£(2000円弱)と日本に比べ高い設定だ。現地人が経営するラーメン店が多いというのもヨーロッパ他国と比べて特徴的。今後さらにラーメン店は増えると予想される。 著者:新横浜ラーメン博物館 中野 正博 Shoryu にんにく油を使った ドラキュララーメン(9.9£) 平均価格は11£(2,000円弱) 繁華街「ピカデリーサーカス」に店舗を構える KIRAZU 塩ラーメン(9.5£) 客単価1,000〜3,000円の大衆和食がブーム ボーンダディーズとんこつラーメン(11£) 1日500人前後のお客さんが訪れる人気店あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!