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ラーメンの誕生

数多くの文献を基にして
ラーメンのルーツについて解き明かそうとする労作

岡田 哲 著
筑摩書房(ちくま新書)
新書/234ページ
720円(税別)
2002年1月20日刊行
(初版)

日本の「ラーメン」が、いつどこでどのようにして生まれたのか、これはラーメンを愛する多くの人々にとって、大いに興味をそそられる永遠のテーマのひとつだ。これまでもラーメンのルーツを探る著作は数多く発表されているが、本書のタイトルはそのものズバリ『ラーメンの誕生』である。「ついにその謎が明らかになるのか!」と、期待する向きも多いかも知れないが、結論から言って、本書がその謎を明解に解き明かしているとは言えないだろう。

ネタバレを承知で結論を言ってしまったのは、本書がすでに絶版に近い状態で、現在は古書でしか入手できない書籍だからだ。しかし、そうしたことを抜きにしても、この本に収められているすさまじい情報量の価値が減じることは決してない。古今のさまざまな書物や歴史的資料にあたり、日本とアジアの麺料理について多角的な視点から述べた本書は、巻末に列挙された参考文献をかたっぱしから探し出して読んでみる、という楽しみ方も与えてくれる。
本書の著者は、大手製粉メーカーに勤務後、放送大学で食文化史を担当し、料理や食文化に関する著作を数多く上梓している食文化史研究家だ。本書の初版発行は2002年だから、いまから10年ちょっと前のことなのだが、その10年あまりのあいだにラーメンはさらに大きな変化を遂げている。現在、主流となっているラーメンとは、果たして本書の著者が言う「中華風」の麺料理と言えるのだろうか。筆者がここ1年ほどのあいだに食べたラーメンには、いわゆる中華風のものは皆無に等しかったことをふと思い出した。
(藩田伊庵)

adminコラムラーメンの誕生 数多くの文献を基にして ラーメンのルーツについて解き明かそうとする労作 岡田 哲 著 筑摩書房(ちくま新書) 新書/234ページ 720円(税別) 2002年1月20日刊行 (初版) 日本の「ラーメン」が、いつどこでどのようにして生まれたのか、これはラーメンを愛する多くの人々にとって、大いに興味をそそられる永遠のテーマのひとつだ。これまでもラーメンのルーツを探る著作は数多く発表されているが、本書のタイトルはそのものズバリ『ラーメンの誕生』である。「ついにその謎が明らかになるのか!」と、期待する向きも多いかも知れないが、結論から言って、本書がその謎を明解に解き明かしているとは言えないだろう。 ネタバレを承知で結論を言ってしまったのは、本書がすでに絶版に近い状態で、現在は古書でしか入手できない書籍だからだ。しかし、そうしたことを抜きにしても、この本に収められているすさまじい情報量の価値が減じることは決してない。古今のさまざまな書物や歴史的資料にあたり、日本とアジアの麺料理について多角的な視点から述べた本書は、巻末に列挙された参考文献をかたっぱしから探し出して読んでみる、という楽しみ方も与えてくれる。 本書の著者は、大手製粉メーカーに勤務後、放送大学で食文化史を担当し、料理や食文化に関する著作を数多く上梓している食文化史研究家だ。本書の初版発行は2002年だから、いまから10年ちょっと前のことなのだが、その10年あまりのあいだにラーメンはさらに大きな変化を遂げている。現在、主流となっているラーメンとは、果たして本書の著者が言う「中華風」の麺料理と言えるのだろうか。筆者がここ1年ほどのあいだに食べたラーメンには、いわゆる中華風のものは皆無に等しかったことをふと思い出した。 (藩田伊庵)あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!