65年のノウハウ生かし「少量多品種の麺作り」を展開

徹底した生産管理とデータ分析で店主のこだわりに対応
埼玉県北葛飾郡松伏町にある工場団地の一角に、「菅野製麺所」の最新鋭の工場がある。菅野製麺所といえば、創業1949年、65年の歴史を有する製麺会社の老舗。2011年3月に操業開始した松伏工場は「こだわりのラーメンを提供する専門店のニーズに、きめ細かく対応することを目指して稼働しました」と同社の代表取締役・菅野善男氏は語る。個人経営のラーメン店が増えれば増えるほど、求められる麺も細分化、複雑化する。菅野氏が掲げる麺作りの使命とは?

スープの経時変化、pH値の推移がおいしさの決め手

──最近の麺の傾向は?
菅野 昔はラーメンといえば、中華料理店のラーメンが主流。どの店のスープも使用する食材はだいたい同じようなもので、スープに合う麺もほぼ決まっていました。5種類くらいの麺があれば、十分対応できましたね。
ところがラーメン専門店が増え、スープの構成がかなり複雑になってきています。これまでのラーメンの枠組みでは捉え切れない、新しい発想のスープが次々に登場しています。独立してラーメン店を開業しようという心意気のある人には、それぞれの〝こだわりのラーメン〟がある。その数の分だけ、店主の自慢のスープがあるというわけです。スープの種類が多様化し、それに合わせて、麺の種類もどんどん増えている状況です。

──少量多品種に応えるには?
菅野 弊社には60年の麺作りのノウハウがあります。現在、生地が100種類、小麦粉が60~70種類、かん水が7種類。同じ生地でも太く、細く、もみ、ウエーブなどの加工を施すことで、出来上がりの麺は約350種類になります。豊富な麺の種類で、どんなこだわりのスープにもマッチングする麺を提供できるのが、弊社の強みです。現時点で、1600店のラーメン店に麺を提供していますが、そのうち7割が1日50~70食の店。大量生産ではなく、60年の麺作りで培った加工技術を生かし、それぞれの店のこだわりのスープに合う麺を少量多品種で生産していく方針です。

──最新設備の成果は?
菅野 たとえば、麺がスープとうまく絡むには、麺の水分量や㏗値などが重要になってきますが、松伏工場ではそれらを測定、データ化しています。そのデータをもとに「酸性度の高いスープは麺で㏗値を変えて中性に近づけると、味がまろやかになり食べ終わりがおいしい」と推論しました。
㏗値が酸性に傾いているスープは、舌を刺激するようなインパクトがあります。それは、それでおいしいのですが、食べ終わりはバランスよくまとめたいという場合がある。そこで、麺に含まれるかん水の量を調整して、かん水の成分がスープに溶け出すことで㏗値が中性になるようにします。中性になれば味がマイルドになり、食べ終わりに満足感がある。また食べたくなるラーメンというわけですね。
㏗値と味の関係は、あくまでも推論ですが、麺がスープに影響を与えることで、スープのおいしさを完成させるのは間違いありません。
その他にも松伏工場では、温度や湿度に影響される麺の品質を安定させるために、徹底した品質管理を行い、通年を通してブレのない麺作りを実現しています。さらに各麺ごとに生産工程、配合、原材料規格、栄養成分表示などをデータベース化しているのも、他社にはない特徴です。

──自家製麺との差別化は?
菅野 自家製麺にこだわる店主さんもいらっしゃいますが、そういう研究熱心な方にこそ、弊社の麺をぜひ一度試していただきたいと思っています。中華麺作り60年の技術が凝縮した麺の完成度の高さをより理解していただけると思うからです。付加価値が見込めるものについては、30食単位でオーダー麺にも対応しています。
ラーメン店にスープへのこだわりがあるように、製麺会社にも麺作りのこだわりがあります。ラーメンをこよなく愛し、研鑽を積んだ者同士が出会うことで、ラーメン業界の新しい発展につながると確信しています。

──製麺会社から見た成功するラーメン店は?
菅野 オリジナリティーを追求し、自分のラーメンにこだわりがある人が成功しているように思います。従来のラーメンの固定観念に縛られず、自由な発想で取り組んでいる人ですね。
ラーメン業界の活性化はまだまだ進行中です。新しく参入する店が多い分、消えていく店もある。新陳代謝が進むことで、業界全体がレベルアップしていくのだと思います。オリジナリティーあふれるラーメンをもって、この業界にチャレンジされる方をバックアップすることが、菅野製麺所の使命だと思っています。


菅野製麺所の売れ筋&有望株の麺 【CK中華12 250g】

aSRpFqsX_VL033_r01極太で食べ応え十分
インパクトのある極太麺で、ツルツルと喉越しがよく、コシが強く、食べ応え十分のつけ麺。ゆで伸びが遅く、濃厚なつけ麺スープがよく合う。


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菅野製麺所の売れ筋&有望株の麺 【M中華20厚 160g】

コリコリ食感の多加水麺
家系で、麺の表面は滑らかだが、コリコリした食感を楽しめる多加水麺。深溝の切刃を使用することで、スープのノリがよくなり、濃厚系のスープがよく合う。


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菅野製麺所の売れ筋&有望株の麺 【手もみ 150g】

クセがないモチモチ食感
滑らかさがあり、モチモチとした食感でクセがない。あっさりからこってりまでのスープの思考に合わせて対応できる多加水麺。


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(株)菅野製麺所

2011年に竣工した埼玉県松伏町の精鋭工場
所在地=本社・東京営業所 東京都大田区西蒲田6丁目29番2号
埼玉営業所 埼玉県北葛飾郡松伏町大字松伏972-1
設立=1949年/松伏工場の操業開始=2011年3月
資本金=4,970万円/従業員数=75人
事業内容=生麺類および中華惣菜、冷凍食品の製造販売


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菅野 善男(かんの・よしお)

バイクで日本各地のご当地ラーメンを食べ歩き
1957年東京都大田区出身。
菅野製麺所の初代社長であり父親の善広の長男。物心ついたときから、麺とラーメンの中で育つ。独協大学卒業後、菅野製麺所入社。趣味はオートバイと御朱印集め。神社や寺院において参拝者向けに押印される御朱印を収集するために、オートバイで日本各地の一の宮を巡る。その旅の途中でラーメン店を食べ歩く。「北海道から鹿児島まで全国の有名店はほぼまわりましたね。ご当地ラーメンはやはりいいですね」と言うラーメン愛好家。

adminコラム65年のノウハウ生かし「少量多品種の麺作り」を展開 徹底した生産管理とデータ分析で店主のこだわりに対応 埼玉県北葛飾郡松伏町にある工場団地の一角に、「菅野製麺所」の最新鋭の工場がある。菅野製麺所といえば、創業1949年、65年の歴史を有する製麺会社の老舗。2011年3月に操業開始した松伏工場は「こだわりのラーメンを提供する専門店のニーズに、きめ細かく対応することを目指して稼働しました」と同社の代表取締役・菅野善男氏は語る。個人経営のラーメン店が増えれば増えるほど、求められる麺も細分化、複雑化する。菅野氏が掲げる麺作りの使命とは? スープの経時変化、pH値の推移がおいしさの決め手 ──最近の麺の傾向は? 菅野 昔はラーメンといえば、中華料理店のラーメンが主流。どの店のスープも使用する食材はだいたい同じようなもので、スープに合う麺もほぼ決まっていました。5種類くらいの麺があれば、十分対応できましたね。 ところがラーメン専門店が増え、スープの構成がかなり複雑になってきています。これまでのラーメンの枠組みでは捉え切れない、新しい発想のスープが次々に登場しています。独立してラーメン店を開業しようという心意気のある人には、それぞれの〝こだわりのラーメン〟がある。その数の分だけ、店主の自慢のスープがあるというわけです。スープの種類が多様化し、それに合わせて、麺の種類もどんどん増えている状況です。 ──少量多品種に応えるには? 菅野 弊社には60年の麺作りのノウハウがあります。現在、生地が100種類、小麦粉が60~70種類、かん水が7種類。同じ生地でも太く、細く、もみ、ウエーブなどの加工を施すことで、出来上がりの麺は約350種類になります。豊富な麺の種類で、どんなこだわりのスープにもマッチングする麺を提供できるのが、弊社の強みです。現時点で、1600店のラーメン店に麺を提供していますが、そのうち7割が1日50~70食の店。大量生産ではなく、60年の麺作りで培った加工技術を生かし、それぞれの店のこだわりのスープに合う麺を少量多品種で生産していく方針です。 ──最新設備の成果は? 菅野 たとえば、麺がスープとうまく絡むには、麺の水分量や㏗値などが重要になってきますが、松伏工場ではそれらを測定、データ化しています。そのデータをもとに「酸性度の高いスープは麺で㏗値を変えて中性に近づけると、味がまろやかになり食べ終わりがおいしい」と推論しました。 ㏗値が酸性に傾いているスープは、舌を刺激するようなインパクトがあります。それは、それでおいしいのですが、食べ終わりはバランスよくまとめたいという場合がある。そこで、麺に含まれるかん水の量を調整して、かん水の成分がスープに溶け出すことで㏗値が中性になるようにします。中性になれば味がマイルドになり、食べ終わりに満足感がある。また食べたくなるラーメンというわけですね。 ㏗値と味の関係は、あくまでも推論ですが、麺がスープに影響を与えることで、スープのおいしさを完成させるのは間違いありません。 その他にも松伏工場では、温度や湿度に影響される麺の品質を安定させるために、徹底した品質管理を行い、通年を通してブレのない麺作りを実現しています。さらに各麺ごとに生産工程、配合、原材料規格、栄養成分表示などをデータベース化しているのも、他社にはない特徴です。 ──自家製麺との差別化は? 菅野 自家製麺にこだわる店主さんもいらっしゃいますが、そういう研究熱心な方にこそ、弊社の麺をぜひ一度試していただきたいと思っています。中華麺作り60年の技術が凝縮した麺の完成度の高さをより理解していただけると思うからです。付加価値が見込めるものについては、30食単位でオーダー麺にも対応しています。 ラーメン店にスープへのこだわりがあるように、製麺会社にも麺作りのこだわりがあります。ラーメンをこよなく愛し、研鑽を積んだ者同士が出会うことで、ラーメン業界の新しい発展につながると確信しています。 ──製麺会社から見た成功するラーメン店は? 菅野 オリジナリティーを追求し、自分のラーメンにこだわりがある人が成功しているように思います。従来のラーメンの固定観念に縛られず、自由な発想で取り組んでいる人ですね。 ラーメン業界の活性化はまだまだ進行中です。新しく参入する店が多い分、消えていく店もある。新陳代謝が進むことで、業界全体がレベルアップしていくのだと思います。オリジナリティーあふれるラーメンをもって、この業界にチャレンジされる方をバックアップすることが、菅野製麺所の使命だと思っています。 菅野製麺所の売れ筋&有望株の麺 【CK中華12 250g】 極太で食べ応え十分 インパクトのある極太麺で、ツルツルと喉越しがよく、コシが強く、食べ応え十分のつけ麺。ゆで伸びが遅く、濃厚なつけ麺スープがよく合う。あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!