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ラーメン屋VS.マクドナルド ──エコノミストが読み解く日米の深層

トップクラスの経歴を持つエコノミストが経済を超えて展開する
日米比較文化論

竹中 正治 著
新潮社
新書/205頁
680円(税別)
2008年9月20日(初版発行)
タイトルだけを見て本書を購入した人は、実際に読み進めるにつれて、筆者と同様に少しばかり違和感を覚えるかも知れない。なぜなら、本書の中で「ラーメン屋とマクドナルド」を比較して、(あくまでも比喩的にだが)日米の経済構造の差違が語られている部分とは、実はほんの数ページに過ぎないからだ。むしろ、「なぜこのタイトルを選んだのだろう」と疑問を持つほどに、その内容は幅広い分野をカバーしていて飽きさせない。
著者は東大を出て大手都市銀行に長く勤めたエコノミストだが、本書で論じようとしているのは日米の経済的な差違よりも、むしろ文化的、社会的な違いについてである。それは、「はじめに」の中でも述べられているし、そもそもその序文自体が、日本の明治維新直後を舞台に、トム・クルーズと渡辺謙が共演した著名なハリウッド映画「ラストサムライ」への言及から始まるのだから。
つまり、この本は米国をよく知る日本人エコノミストが著した日米比較文化論なのだが、その論考はアニメや映画、はたまた政治や文学に至るまで、さまざまなカテゴリーにわたっており、読み物として十分な読み応えがある。特に、著者が自ら「趣味」と述べているアニメや映画に言及する部分は、エコノミストとは思えぬほどの知識と見識が散見される。
前述のように、本書と「ラーメン屋」との間には、タイトルから感じられるほど深い関係があるわけではない。しかし、時には直接的な商売の話題を忘れて、こうした教養的な書物を読んでみるのもまた、経営者としての「たしなみ」というものなのではないか。
(藩田伊庵)

adminコラムラーメン屋VS.マクドナルド ──エコノミストが読み解く日米の深層 トップクラスの経歴を持つエコノミストが経済を超えて展開する 日米比較文化論 竹中 正治 著 新潮社 新書/205頁 680円(税別) 2008年9月20日(初版発行) タイトルだけを見て本書を購入した人は、実際に読み進めるにつれて、筆者と同様に少しばかり違和感を覚えるかも知れない。なぜなら、本書の中で「ラーメン屋とマクドナルド」を比較して、(あくまでも比喩的にだが)日米の経済構造の差違が語られている部分とは、実はほんの数ページに過ぎないからだ。むしろ、「なぜこのタイトルを選んだのだろう」と疑問を持つほどに、その内容は幅広い分野をカバーしていて飽きさせない。 著者は東大を出て大手都市銀行に長く勤めたエコノミストだが、本書で論じようとしているのは日米の経済的な差違よりも、むしろ文化的、社会的な違いについてである。それは、「はじめに」の中でも述べられているし、そもそもその序文自体が、日本の明治維新直後を舞台に、トム・クルーズと渡辺謙が共演した著名なハリウッド映画「ラストサムライ」への言及から始まるのだから。 つまり、この本は米国をよく知る日本人エコノミストが著した日米比較文化論なのだが、その論考はアニメや映画、はたまた政治や文学に至るまで、さまざまなカテゴリーにわたっており、読み物として十分な読み応えがある。特に、著者が自ら「趣味」と述べているアニメや映画に言及する部分は、エコノミストとは思えぬほどの知識と見識が散見される。 前述のように、本書と「ラーメン屋」との間には、タイトルから感じられるほど深い関係があるわけではない。しかし、時には直接的な商売の話題を忘れて、こうした教養的な書物を読んでみるのもまた、経営者としての「たしなみ」というものなのではないか。 (藩田伊庵)あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!