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うまい麺の秘密は 技術力とイメージ

おいしさは調理法にも左右されるか
昨年のヒット商品のひとつに「マルちゃん 正麺」(東洋水産)がある。事実、日本食糧新聞制定平成24年度(第31回)「食品ヒット大賞」を見事受賞し、〝活性化〟と〝価格競争阻止〟という袋麺市場への貢献も皆が認めるところだ。
この正麺、ヒットの要因は「おいしい!」=リピーターの多さということで、その麺の製法についていろいろ取り上げられることが多い。生麺のようなつるみやコシといった食感を即席麺で再現した「生麺うまいまま製法」の力業といってもいいだろう。
しかし実際のリピーターによくよく聞いてみると、「うまい」と感じている視点がちょっと異なるのだった。
袋麺の最大のメリットは、ともかく簡単。片手鍋さえあれば、丼に移し替えずにそのまま〝直食い〟というやからも少なくない。つまりスープの素を麺をゆでたその鍋に入れてしまう、という作り方が定番だ。
ところが正麺の場合、スープは丼に入れて麺のゆで汁で溶き、そこに麺を入れるという手法を取る。すると作っている人としては、袋麺ではない〝ちゃんとした〟ラーメンを作成している気になるそうだ。どうやらここにおいしさへのポイントが脳内で加算されるらしい。
〝ちゃんとした〟と書いたものの、袋麺と生麺に優劣はないと考えている。簡便と保存に徹底した袋麺と、そうではない生麺との違いにすぎない。鍋に麺と粉末スープ、ザクザク刻んだキャベツを煮込み(※)、最後に卵を割り入れる〝袋麺だけ〟の楽しみ方を、特に昭和を歩んだ人にはご理解いただけると思う。
となると、袋麺にも昭和タイプ・平成タイプが生まれ、幅ができたとするならばやはり正麺の功績はすごいのだった。
ところでいつもラーメンを食べている〝小池さん〟。筆者は、彼が食べているのは袋麺であると勝手に思っていた。なぜなら片手鍋で食べている印象があるからだ。しかし、画像検索をすると彼はほぼ丼で麺をすすっている。私の記憶は、幻だろうか……。
(※)メーカー推奨は、麺をゆでて火を止めてから粉末を入れます。
日本食糧新聞社 新製品トレンド 編集長
武藤麻実子

adminコラムうまい麺の秘密は 技術力とイメージ おいしさは調理法にも左右されるか 昨年のヒット商品のひとつに「マルちゃん 正麺」(東洋水産)がある。事実、日本食糧新聞制定平成24年度(第31回)「食品ヒット大賞」を見事受賞し、〝活性化〟と〝価格競争阻止〟という袋麺市場への貢献も皆が認めるところだ。 この正麺、ヒットの要因は「おいしい!」=リピーターの多さということで、その麺の製法についていろいろ取り上げられることが多い。生麺のようなつるみやコシといった食感を即席麺で再現した「生麺うまいまま製法」の力業といってもいいだろう。 しかし実際のリピーターによくよく聞いてみると、「うまい」と感じている視点がちょっと異なるのだった。 袋麺の最大のメリットは、ともかく簡単。片手鍋さえあれば、丼に移し替えずにそのまま〝直食い〟というやからも少なくない。つまりスープの素を麺をゆでたその鍋に入れてしまう、という作り方が定番だ。 ところが正麺の場合、スープは丼に入れて麺のゆで汁で溶き、そこに麺を入れるという手法を取る。すると作っている人としては、袋麺ではない〝ちゃんとした〟ラーメンを作成している気になるそうだ。どうやらここにおいしさへのポイントが脳内で加算されるらしい。 〝ちゃんとした〟と書いたものの、袋麺と生麺に優劣はないと考えている。簡便と保存に徹底した袋麺と、そうではない生麺との違いにすぎない。鍋に麺と粉末スープ、ザクザク刻んだキャベツを煮込み(※)、最後に卵を割り入れる〝袋麺だけ〟の楽しみ方を、特に昭和を歩んだ人にはご理解いただけると思う。 となると、袋麺にも昭和タイプ・平成タイプが生まれ、幅ができたとするならばやはり正麺の功績はすごいのだった。 ところでいつもラーメンを食べている〝小池さん〟。筆者は、彼が食べているのは袋麺であると勝手に思っていた。なぜなら片手鍋で食べている印象があるからだ。しかし、画像検索をすると彼はほぼ丼で麺をすすっている。私の記憶は、幻だろうか……。 (※)メーカー推奨は、麺をゆでて火を止めてから粉末を入れます。 日本食糧新聞社 新製品トレンド 編集長 武藤麻実子あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!