繁盛店の鉄則は従業員1人月商100万円

Made By Japan のラーメン文化で世界に挑む!
ラーメン店の出店状況はやや飽和状態にあると見る向きもある。そんな中で「凪」は次々と他に類のない新しいラーメンを創作し、着実に店舗数を増やしている。「おいしいラーメンを出し続けることが肝心」と攻めの姿勢を崩さず、その勢いは国内にとどまらない。さまざまなラーメンイベントに参画するなどラーメン業界で縦横無尽に活躍し、今、最も熱い視線を集めている凪の店主・生田智志氏が描くラーメンの未来像とは?

お客とのコミュニケーションが明暗を分ける
 ──最近のラーメン業界の動きは?
生田 店は出しやすいけど、消えるのも早い。このサイクルが非常に短くなっていると思いますね。また1軒目を出して人気が出ても、2号店、3号店と多店舗化できる店が少ない。その理由は店側の力不足もありますが、それにも増してお客さんの要望が複雑になっていることにある。今のラーメン店は、確かにどこもそれなりにおいしいけど、だからといって業界全体がレベルアップしているわけじゃない。底は上がったけど上も変わらなくて、全体に平均化している感じですね。お客さんもどこの店も大差がないと気付き始めていて、味を売る以上に、ラーメンへの思いや接客態度などを含めた、店主の個性やメッセージをいかにアピールするかが、店の人気を左右するようになってきています。
それと、今の若手って、出店をゴールと考えている人が多いような気がする。出店はゴールではなく、あくまでもスタート。店を出して何がしたいのか、ラーメンで何を伝えたいのか。そのメッセージに共感してくれた人が店に来てくれるわけだから、お客さんが共感できるメッセージがないお店は継続できませんよね。
ラーメンそのものがメッセージであることは当然ですが、メッセージを伝える手段としてインターネットがある。ただで利用できるものは使わなきゃ。テレビや雑誌などのメディアに頼らなくても自分たちで情報発信できる時代です。僕はホームページ、ブログ、コミュニティーサイトをいち早く取り入れ、お客さんとのコミュニケーションを大事にしてきました。

 ──職人と経営者としてのバランスは?
生田 僕の中でこの2つは別個のものではなく、つながっているんです。肝心なのは「おいしいラーメンを出して店を継続させる」こと。「おいしいラーメンを出す」ことと「店を継続させる」ことは、どちらも大事。このバランスが崩れると、店が存続できなくなるんでしょうね。
「おいしいラーメンを出し続けられる環境」を維持することには、かなり気を使っています。その点は、経営者としての感覚がいいかもしれませんね。店の存続が危なくなりにくい環境をあらかじめ作っておくこと。たとえば、家賃が安い立地を選ぶ、固定費を下げる、投資や出店費用を抑える、現金をプールするなど赤字になりにくくしておくことは、経営者として大事です。

 ──出店の指標は?
生田 1人でやるなら、月の売上げの目安は100万円。1人で100万円稼ぐだけの実力がなければ、店は続きませんから。それと、月100万円稼ぐためなら24時間営業でも、なんでもするくらいの意気込みがないとね。
材料費35%、人件費30%、水道・光熱費10%、家賃7〜8%、雑費5%、残りが利益。100万円稼いで、この分配比率ならとりあえず飯は食える。スタッフ1人増やすごとに、売上げはプラス100万円。1人で100万円稼げないようなスタッフは要らない。人件費以外の出費は、スタッフが増えても、それほど変わらないから、スタッフが増えるごとに利益の部分が大きくなっていくわけです。
店の規模は5坪、8〜10席、坪単価は2万5000円以下が目安。ムダに広くなくて、これくらいなら都内でもまだまだ立地がある。スケルトンで入っても、300万円くらいで買い取れるはずです。うちは10坪で500、600万円で店を作りますから。僕は〝数字勘〟って言ってるんですけど、こうやってすぐに数字が出てくることがすごく大事。味についても、このラーメンの塩分は何%と決めるんですが、数字としてサッと出せる=数字勘があることが、経営者としも職人としても大事ですね。
 ──海外進出の計画は?
生田 海外出店を狙う人は多いし、自分もその一人ではあるけど、急ぐことはないと思っています。商売の成功率が一番高いのは日本。それがわかっていて海外進出するならいいけど、とにかく海外というのはリスキー。海外は出店先の選択肢の一つではあるけど、かなりハイレベルな選択肢ですから慎重に判断すべきでしょうね。「今」じゃなければということはないし、もっと海外の市場が成熟してからでもいいのかもしれません。

 ──今後の展望は?
生田 ユニバーサル・ヌードル=ラーメンで世界をつなぎ、風のないところに風を起こすことですかね。目標としては全世界で1000店出店する。海外の麺のいいところを取り入れながらも、日本人の魂がこもったMade By Japanの麺を世界中に広めることが大志です。ラーメンにはその可能性があると思うし、僕らはそれをやっていきます


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生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3

らーめん(王道の博多ラーメン)680円
クリーミー豚骨が絶品
博多長浜らーめん田中商店
東京都足立区一ツ家2─14─6

「豚骨だけを3日3晩強火で煮込んだスープ、醤油だれ、極細ストレート低加水麺を合わせた博多ラーメン。クリーミーな豚骨スープが絶品で、一気に完食させるほどの勢いをラーメンに感じます。特製窯で焼き上げたというチャーシューも、うま味と香ばしさが凝縮してウマイ!」


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生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3

味玉中華そば 800円
完成度の高い王道ラーメン
つけめん玉
神奈川県川崎市川崎区追分町6─12

「スープはゲンコツ、鶏がらなどの動物系でコクを引き出し、そこにカツオや煮干しなどの魚介類で風味がプラスされています。玉ネギ、キャベツ、ニンジンなどの野菜を煮込んだ濃厚さもある。まさしくおいしいラーメンの王道。細部にまでこだわる店長の考えを表現する一杯」


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生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3

味玉そば 850円
繊細でバランスのよい一杯
Japanese Soba Noodles 蔦
東京都豊島区巣鴨1─14─1

「『醤油そば』のたれには小豆島古式天然醸造の生揚げ醤油を使用。スープは鶏の首のだしに羅臼昆布や秋刀魚節などを合わせているとか。醤油に重点を置く店長のメッセージが伝わるラーメン。丼1杯のバランスがよく、具材の使い方も非常に繊細で完成度が高い」


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生田 智志(いくた・さとし)

NYで世界に通用するラーメン店の開業を決意
1977年福岡県北九州市出身。
「一蘭」で店長を経験後、関東出店を機に東京5店舗のエリアマネジャーを任される。熊谷正寿氏の「一冊の手帳で夢は必ずかなう」に感銘を受け、将来の地図を作成。2002年、ニューヨークの「グランド・ゼロ」を訪れた際、この地に出店している多種多様な民族の活気ある姿に触れ、世界に通用するラーメン店の開業を決意。2004年、28歳で独立。新宿ゴールデン街で「火曜日限定ラーメンバー凪」仮営業開始。2006年、渋谷本店を創業。国内6店舗、海外5店舗を直営として経営。

ラーメン凪 新宿煮干 新宿ゴールデン街店

所在地=東京都新宿区歌舞伎町1─10─2F新宿ゴールデン街内
開業=2004年9月
営業時間=月〜土午前11時半〜午後3時、6時〜翌午前5時 日・祝午前11時半〜午後3時、6時〜翌午前2時半
第3日曜日は昼営業のみ
坪数・席数=4坪・10席 1日の平均来客数=300人

adminコラム繁盛店の鉄則は従業員1人月商100万円 Made By Japan のラーメン文化で世界に挑む! ラーメン店の出店状況はやや飽和状態にあると見る向きもある。そんな中で「凪」は次々と他に類のない新しいラーメンを創作し、着実に店舗数を増やしている。「おいしいラーメンを出し続けることが肝心」と攻めの姿勢を崩さず、その勢いは国内にとどまらない。さまざまなラーメンイベントに参画するなどラーメン業界で縦横無尽に活躍し、今、最も熱い視線を集めている凪の店主・生田智志氏が描くラーメンの未来像とは? お客とのコミュニケーションが明暗を分ける  ──最近のラーメン業界の動きは? 生田 店は出しやすいけど、消えるのも早い。このサイクルが非常に短くなっていると思いますね。また1軒目を出して人気が出ても、2号店、3号店と多店舗化できる店が少ない。その理由は店側の力不足もありますが、それにも増してお客さんの要望が複雑になっていることにある。今のラーメン店は、確かにどこもそれなりにおいしいけど、だからといって業界全体がレベルアップしているわけじゃない。底は上がったけど上も変わらなくて、全体に平均化している感じですね。お客さんもどこの店も大差がないと気付き始めていて、味を売る以上に、ラーメンへの思いや接客態度などを含めた、店主の個性やメッセージをいかにアピールするかが、店の人気を左右するようになってきています。 それと、今の若手って、出店をゴールと考えている人が多いような気がする。出店はゴールではなく、あくまでもスタート。店を出して何がしたいのか、ラーメンで何を伝えたいのか。そのメッセージに共感してくれた人が店に来てくれるわけだから、お客さんが共感できるメッセージがないお店は継続できませんよね。 ラーメンそのものがメッセージであることは当然ですが、メッセージを伝える手段としてインターネットがある。ただで利用できるものは使わなきゃ。テレビや雑誌などのメディアに頼らなくても自分たちで情報発信できる時代です。僕はホームページ、ブログ、コミュニティーサイトをいち早く取り入れ、お客さんとのコミュニケーションを大事にしてきました。  ──職人と経営者としてのバランスは? 生田 僕の中でこの2つは別個のものではなく、つながっているんです。肝心なのは「おいしいラーメンを出して店を継続させる」こと。「おいしいラーメンを出す」ことと「店を継続させる」ことは、どちらも大事。このバランスが崩れると、店が存続できなくなるんでしょうね。 「おいしいラーメンを出し続けられる環境」を維持することには、かなり気を使っています。その点は、経営者としての感覚がいいかもしれませんね。店の存続が危なくなりにくい環境をあらかじめ作っておくこと。たとえば、家賃が安い立地を選ぶ、固定費を下げる、投資や出店費用を抑える、現金をプールするなど赤字になりにくくしておくことは、経営者として大事です。  ──出店の指標は? 生田 1人でやるなら、月の売上げの目安は100万円。1人で100万円稼ぐだけの実力がなければ、店は続きませんから。それと、月100万円稼ぐためなら24時間営業でも、なんでもするくらいの意気込みがないとね。 材料費35%、人件費30%、水道・光熱費10%、家賃7〜8%、雑費5%、残りが利益。100万円稼いで、この分配比率ならとりあえず飯は食える。スタッフ1人増やすごとに、売上げはプラス100万円。1人で100万円稼げないようなスタッフは要らない。人件費以外の出費は、スタッフが増えても、それほど変わらないから、スタッフが増えるごとに利益の部分が大きくなっていくわけです。 店の規模は5坪、8〜10席、坪単価は2万5000円以下が目安。ムダに広くなくて、これくらいなら都内でもまだまだ立地がある。スケルトンで入っても、300万円くらいで買い取れるはずです。うちは10坪で500、600万円で店を作りますから。僕は〝数字勘〟って言ってるんですけど、こうやってすぐに数字が出てくることがすごく大事。味についても、このラーメンの塩分は何%と決めるんですが、数字としてサッと出せる=数字勘があることが、経営者としも職人としても大事ですね。  ──海外進出の計画は? 生田 海外出店を狙う人は多いし、自分もその一人ではあるけど、急ぐことはないと思っています。商売の成功率が一番高いのは日本。それがわかっていて海外進出するならいいけど、とにかく海外というのはリスキー。海外は出店先の選択肢の一つではあるけど、かなりハイレベルな選択肢ですから慎重に判断すべきでしょうね。「今」じゃなければということはないし、もっと海外の市場が成熟してからでもいいのかもしれません。  ──今後の展望は? 生田 ユニバーサル・ヌードル=ラーメンで世界をつなぎ、風のないところに風を起こすことですかね。目標としては全世界で1000店出店する。海外の麺のいいところを取り入れながらも、日本人の魂がこもったMade By Japanの麺を世界中に広めることが大志です。ラーメンにはその可能性があると思うし、僕らはそれをやっていきます 生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3 らーめん(王道の博多ラーメン)680円 クリーミー豚骨が絶品 博多長浜らーめん田中商店 東京都足立区一ツ家2─14─6 「豚骨だけを3日3晩強火で煮込んだスープ、醤油だれ、極細ストレート低加水麺を合わせた博多ラーメン。クリーミーな豚骨スープが絶品で、一気に完食させるほどの勢いをラーメンに感じます。特製窯で焼き上げたというチャーシューも、うま味と香ばしさが凝縮してウマイ!」 生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3 味玉中華そば 800円 完成度の高い王道ラーメン つけめん玉 神奈川県川崎市川崎区追分町6─12 「スープはゲンコツ、鶏がらなどの動物系でコクを引き出し、そこにカツオや煮干しなどの魚介類で風味がプラスされています。玉ネギ、キャベツ、ニンジンなどの野菜を煮込んだ濃厚さもある。まさしくおいしいラーメンの王道。細部にまでこだわる店長の考えを表現する一杯」 生田智志店主のお薦めラーメン店ベスト3 味玉そば 850円 繊細でバランスのよい一杯 Japanese Soba Noodles 蔦 東京都豊島区巣鴨1─14─1 「『醤油そば』のたれには小豆島古式天然醸造の生揚げ醤油を使用。スープは鶏の首のだしに羅臼昆布や秋刀魚節などを合わせているとか。醤油に重点を置く店長のメッセージが伝わるラーメン。丼1杯のバランスがよく、具材の使い方も非常に繊細で完成度が高い」 生田 智志(いくた・さとし) NYで世界に通用するラーメン店の開業を決意 1977年福岡県北九州市出身。 「一蘭」で店長を経験後、関東出店を機に東京5店舗のエリアマネジャーを任される。熊谷正寿氏の「一冊の手帳で夢は必ずかなう」に感銘を受け、将来の地図を作成。2002年、ニューヨークの「グランド・ゼロ」を訪れた際、この地に出店している多種多様な民族の活気ある姿に触れ、世界に通用するラーメン店の開業を決意。2004年、28歳で独立。新宿ゴールデン街で「火曜日限定ラーメンバー凪」仮営業開始。2006年、渋谷本店を創業。国内6店舗、海外5店舗を直営として経営。 ラーメン凪 新宿煮干 新宿ゴールデン街店 所在地=東京都新宿区歌舞伎町1─10─2F新宿ゴールデン街内 開業=2004年9月 営業時間=月〜土午前11時半〜午後3時、6時〜翌午前5時 日・祝午前11時半〜午後3時、6時〜翌午前2時半 第3日曜日は昼営業のみ 坪数・席数=4坪・10席 1日の平均来客数=300人あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!