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『コクと旨味の秘密』

経験則や感覚ではなくおいしさの秘密を科学的に解説してくれるユニークな「食」の本
本書は、特にラーメンに関して書かれた本ではない。だが、ラーメンについて、いや食べ物について真剣に取り組み、そのおいしさをもっと追求したいと考えている人であれば誰でも、興味深く読める好著だと断言できる。
タイトルにもあるように、本書のテーマは「コク」と「旨味」だ。著者は食品や栄養の専門家である大学教授。つまり、これは食べ物の味や栄養について科学的な視点から書かれた書物であり、そういう意味で、飲食ビジネスの内部にいる専門家が書いた「食」の本とは一線を画している。
食べ物の業界にいるわれわれが、普段なにげなく使っている「コク」や「旨味」という言葉が、アカデミックな世界ではどのような意味を持っているのか、おいしいというのはどういうことなのか、そんなことが科学的な視点やロジカルな裏付けに基づいて明快に解説されていく。「味覚」について、「出汁」について、「甘味」の意味、舌の機能など、読み進むうちに、目からうろこだったり、目が点だったり、思わずニヤリとしたり、よだれが出そうになったりと、食に興味のある人間であればきっと本を置くことができないはずだ。
今回、なぜ本稿でこの本を採り上げたのかという理由のひとつは、実はこの本の中にラーメンに関する記述がとても多いことにある。恐らく、ラーメンというのはコクやうま味ととても密接に結びついた食べ物なのだろう。
ラーメンの世界では、食材や調理法について真摯に突き詰めた職人の技が結果を生み出す。そうした味の探求のプロセスにおいて、本書のような科学的なアプローチもまた大きな役割を果たすことは間違いない。
(藩田伊庵)
伏木 亨 著
新潮社(新潮新書)
新書/207頁
680円(税別)
2005年9月20日 刊行

adminコラム『コクと旨味の秘密』 経験則や感覚ではなくおいしさの秘密を科学的に解説してくれるユニークな「食」の本 本書は、特にラーメンに関して書かれた本ではない。だが、ラーメンについて、いや食べ物について真剣に取り組み、そのおいしさをもっと追求したいと考えている人であれば誰でも、興味深く読める好著だと断言できる。 タイトルにもあるように、本書のテーマは「コク」と「旨味」だ。著者は食品や栄養の専門家である大学教授。つまり、これは食べ物の味や栄養について科学的な視点から書かれた書物であり、そういう意味で、飲食ビジネスの内部にいる専門家が書いた「食」の本とは一線を画している。 食べ物の業界にいるわれわれが、普段なにげなく使っている「コク」や「旨味」という言葉が、アカデミックな世界ではどのような意味を持っているのか、おいしいというのはどういうことなのか、そんなことが科学的な視点やロジカルな裏付けに基づいて明快に解説されていく。「味覚」について、「出汁」について、「甘味」の意味、舌の機能など、読み進むうちに、目からうろこだったり、目が点だったり、思わずニヤリとしたり、よだれが出そうになったりと、食に興味のある人間であればきっと本を置くことができないはずだ。 今回、なぜ本稿でこの本を採り上げたのかという理由のひとつは、実はこの本の中にラーメンに関する記述がとても多いことにある。恐らく、ラーメンというのはコクやうま味ととても密接に結びついた食べ物なのだろう。 ラーメンの世界では、食材や調理法について真摯に突き詰めた職人の技が結果を生み出す。そうした味の探求のプロセスにおいて、本書のような科学的なアプローチもまた大きな役割を果たすことは間違いない。 (藩田伊庵) 伏木 亨 著 新潮社(新潮新書) 新書/207頁 680円(税別) 2005年9月20日 刊行あたらしい視点でラーメンを伝える情報誌!